大きくする 標準 小さくする

«前の記事へ 次の記事へ»


面接のときに「勉強させてください」はNGかと

投稿日時:2010/12/08(水) 22:34rss

引き続き採用ネタです。
今回も前回も職員さんを募集したときに
面談で言われたフレーズ、堂々の第一位は
「こちらで勉強させてください」です。

いやいや、うちの事務所は学校じゃないし
なんで給料を支払って、私の大事なお客様の仕事で
勉強をしてもらわなアカンねん、ってずっと思っていました。

この言葉を口にする人は、どんな思いで私がゼロからお客様を増やして
これまで信頼関係を築いてきたのか、わかってるのでしょうか。
あなたのスキルアップのために事業をしてるんじゃないよ、って感じです。

今回はブログにも「職員さん募集」の記事を書き
そこにも「経験者のみ」と書いたので、
実はメールが何通かやってきました。
「未経験者で資格を取った私はどうやって実務経験を積めばいいのでしょうか」
という内容でした。

私自身、こんなにえらそうに言ってますが、
社労士資格を取ったとき実務経験はゼロでした。

社労士試験受験のために、仕事を辞めていたので
試験終了後、ハローワークで仕事を探しました。
職務内容が「社会保険手続き・給与計算業務」に絞って検索。
私が得た仕事は時給850円の会計事務所での仕事でした。

その事務所は、ある程度スタッフがいる事務所だったことと
新卒採用もしている事務所だったので、未経験者に対するハードルは
高くはなかったのが幸いしました。

パート、契約社員、職員についても大きな差別はなく
仕事ができる人にはどんどん仕事をさせてくれる風土だったのも
とてもラッキーでした。

入所してからは、当初の契約の16時に業務を終えたのは最初の2週間だけ。
決して残業を命じられたわけではないのですが、
私は必死で仕事をしました。

平均の業務終了時刻は21時。
終電まで仕事をしていた日も多く、
本来は休日である土曜日は6時に出社して働きました。

正直、未経験者の私にもどんどん仕事をさせてもらえたのは、
職員数50名くらいもいる比較的規模が大きな事務所だったからだと思います。
人が多いと、多少、力がない人がいても、育てる余裕があるんですよね。

社労士事務所は比較的規模が小さいところが多いので
なかなか未経験者を育てる余裕があるところは少ないのでは・・と思います。

例え、実務経験がなくても、新卒ではないので
今までの業務の経験で、事務所に何らかの役には立てるはず。
面接のときには自分自身を営業に行くつもりで、
自分は事務所に対して何ができるのかをアピールすべきじゃないかと思います。
「勉強する」はあくまでも、自分視点であり、給料を払う側にとっての
メリットではないので。

あとは・・経験がなくても、開業登録をして、社労士会の支部の研修や
行事に積極的に参加をし、行政協力や、先輩社労士の事務所の
短期バイト(助っ人)で仕事を覚えるのも一つの方法かもしれません。
私も、開業当時は先輩社労士の手伝いをさせてもらいました。

拙著『稼げる社労士の集客術』では資格を取るだけでは
商売にはならない、ということを書きました。

開業社労士でも勤務社労士でも、資格を活かして仕事を
しようと思えばまずは自分を売り込むこと。
そのためには、自分の経験をどう活かすかを考えることですかね。

仕事は他人に与えてもらうものではなく
自分から取りに行くものだという認識があれば
どう行動すべきかが見えてくるはず。
まずは相手にとってのメリットをどうすれば提供できるのか
その視点が大切です。

トラックバック一覧

コメント


キーワード^^

> 例え、実務経験がなくても、新卒ではないので
> 今までの業務の経験で、事務所に何らかの役には立てる

そうですね!まさにここがキーだと思います。

数年前まで何社か零細企業で正社員として勤務してきました。

今の活動や生活は、まだまだこれからの部分が多いので、まだ回顧する時ではありませんが、これまで少々の遠回りはあっても、ムダなことは1つもありませんでした。

士業の先生方に限らず、多くの分野で役に立つ記事だと思います。

Posted by 米谷 学 at 2010/12/09 00:14:00 PASS:

米谷さん、おおきに

こんにちはー!
こちらにもコメントをいただき
ありがとうございます!

昨日のタイムラインはスゴイ反響でしたねー。
士業で独立して職員を使ってる人は
ほぼそう思ってるのでは、くらいの勢いでした。

自分ができることをアピールですね。
そのためには常に自己分析をすることも
必要だし、いつも全力で仕事をして
何かを得ること、その積み重ねかと。

キツイこと言いすぎると嫌われちゃいますけど
あくまでも愛です(笑)

Posted by いよりなみ at 2010/12/09 08:09:00 PASS:

確かに・・・

いよりさん、こんにちは!

新しい社員さんの採用、おめでとうございます。

今回の記事は、何度も頷きながら拝見しました。
視点を変えると、企業にも当てはまりますね。

育てて欲しいなどと甘えているのではなく
自社の強みを明確にして
お客様に対して、何ができるのかを
積極的に、明確に、伝えないと仕事はゲットできません。

勉強になりました。
ありがとうございました。

Posted by 伊藤@精密部品加工屋 at 2010/12/09 08:27:00 PASS:

いとうさん、おおきに

いとうさん、おはようございます!

コメントをありがとうございます。

記事を書きながら、私も本を書くときに
「本業じゃないし」を常に逃げ口上にしていることに
気づきました。

読者はお金を払って本を買ってくれています。
仕事としてやってる限りは甘えは許されないと思います。

今回の彼女の採用の決定打は短い社会人経験ではありますが
前職で一所懸命やってきたことが話から伝わったことです。

目の前の仕事を突き詰めてやっていくことの
積み重ねが自分を作り出すと思います。

その中から、お客様に合わせて、強みを活かせる
提案をしていきたいですよね。

日々前進あるのみ!
がんばりましょう!

Posted by いよりなみ at 2010/12/09 10:14:00 PASS:

いつもみています。

とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。

Posted by 職務経歴書の書き方 at 2010/12/31 17:55:00 PASS:

ありがとうございます!

職務経歴書の書き方さん

コメントありがとうございます!

本当は人を育てる余裕を持ちたいんですけど。

給料もろくに払えないのに
要求だけ大きくてスイマセン。。。

Posted by いよりなみ at 2010/12/31 21:41:00 PASS:
名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル

画像の英字5文字を入力して下さい。:
パスワード:

会社概要

人事労務に関するコンサルタント業/セミナー運営/社会保険労務士業

詳細へ

個人プロフィール

詳細へ

最近の記事

このブログの記事タイトル一覧(903)


<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

コメント一覧

最新トラックバック

  • ルイヴィトン 店舗 from ルイヴィトン 店舗
    【明大生との一問百答】上司からアドバイスを引き出す方法 - 井寄事務所 代表 井寄奈美
  • 井寄奈美「著者デビュー5周年」に出席 from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    特定社会保険労務士で経営者会報ブログの会員でe製造業の会の会員でもある井寄奈美氏が2009年に「小さな会社の<トクする>人の雇い方・給料の払い方」を出版してから4年間で6冊の本を執筆しています。 そこで著者デビュー5周年の感謝祭を開くということで招待されましたが、たまたま我社の年2回しかない土曜日出勤日に当たり第1部のトークイベントには出席ができず夕方からのパーティにだけ参加させていただきま
  • 僕らの味方 キューティーバニー from 男の魂と誇りを込めて・・・世界が震撼する日本の鞄 國鞄 社長 庄山 悟 の日記
  • 新刊書『社長!「非常識社員」はこう扱いなさい』を頂きました! from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    いつもお世話になっている特定社会保険労務士の井寄奈美さんが、6冊目の本『社長!「非常識社員」はこう扱いなさい』を㈱中経出版より出版しました。 その新刊書を10月30日発売なのに早々と送ってくださいました。 井寄さんの出している本は全て労働基準法や社員になどに対する対処など中小経営者の悩んでいることなどを解りやすく解説している本で経営者にお薦めの本です。 今回は権利のみを主張して労務の
  • 大阪府中小企業労働環境好事例集作成で井寄奈美氏の取材を受けます。 from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    大阪商工労働部から推薦され大阪府総合労働事務所のヒアリングを受け中小企業労働環境向上好事例選定委員会において、三元ラセン管工業㈱においては、文句のつけようがないという意見も出るなど高評価を頂き好事例企業50社の中の1社に選定されました。 その選定された会社に今度は社会保険労務士や中小企業診断士が訪問し取材を行い事例集を作成するそうです。 訪問される社会保険労務士や中小企業診断士さんはこちら