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2011年05月16日(月)更新

7割でOKとする生き方

「仕事と家庭との両立って大変でしょ」とよく言われます。
自分的には両立ができているなんて思っていなくて
仕事は100%以上の力で必死でやってますが
家事とかその他地域での仕事などは出力40%以下です。

でもこの出力40%でいいや、と思える自分になるまで随分時間がかかりました。
人間、普通に生きていれば当然何でも100%を目指すと思います。
少なくとも私は何事も100%を越えたいと常に思って生きてきました。

子どもの頃は100点満点を取ることを目標にテストに挑んでいましたし
実際「神童」と呼ばれたこともあったので(自分の祖父母からですが・笑)
小学校の頃は100点をとって当たり前という学校生活を送っておりました。

そんな私が100点を目指さなくなったというか
100点でなくてもいいんだ、って気持ちを切り替えるきっかけになったのは
社労士試験でした。

8月末に実施される試験を、当年の2月上旬に受験することを決めて資格学校に入学しました。
法学部出身でもありませんし、法律の勉強をするのは初めてでした。
また仕事は営業をやっていたので、試験範囲の内容は全く知らないことばかりでした。
社労士試験は国家試験で、合格率は8%くらいでした。

2月から毎週週末は学校に通い、とにかく毎日4時間くらい勉強をしました。
以前勤務していた会社にアルバイトで行っていたので往復の電車の中と
朝30分早く行ってコーヒーショップで過去問を解いてから行くのを日課としていました。

必死で勉強をしたけれども直前の7月の模試でも合格点に達しませんでした。
そんなときに勉強仲間の、司法書士試験の受験生が教えてくれたことがあります。

「合格するために70点以上取らなければならないのであれば
100点を目指すのではなく、7割の問題を落とさないようにすればいいんやで。
100点を取ろうと思うから問題の中の難問に足をとられて簡単な問題まで落としてしまうんや」

このアドバイスがなければ実務も未経験、英文学科出身の私がたった半年の勉強で
一発合格することはなかったと思います。

その試験以降、必要最小限だけやればOKという気持ちになれる自分が生まれました。
やらなければならないことの中で絶対に落とせない7割を見極めて、それを完璧にするのです。

子どもが小さいときなど、時間を仕事に取れないときは、仕事のサイズを小さくして
小さい中で完璧をめざすことにしました。
私がパートタイム勤務で仕事をしていたのはその理由です。

子どもというのはどんどん大きくなります。
子どもが大きくなるに連れて仕事と家庭の時間のバランスを変えていけばよいのです。

今も本当はもっと仕事を取ることができます。
実は今年に入ってからもご紹介を何件かお断りしました。
それは自分ができる枠以上の仕事を取ってしまうと
完全な仕事ができないからです。

でも欲を張らずにそれでもいいや、と自分を納得させつつ
家族との時間とのバランスをとって、100点でなくても自分を許すことが
両立のポイントだと思います。

家族が一番望んでいるのは「いつも機嫌がよいおかあさん」がいることだと思うので。
ホンマのホンマはもっともっと仕事をしたい、、、けど仕事だけできても
誰も周りにいないと、何のために仕事をしているのかわからなくなるので
家族が泣かないギリギリのところを見極めて、その線で仕事をしていきたいと思います。

2011年05月15日(日)更新

本当の人脈のつくりかた

昨年、『稼げる社労士の集客術』(日本実業出版社)を上梓してから
独立開業したばかりの同業者さんからの相談がかなり増えました。

そもそも、その前から相談されることが多く
正直、対応に時間も取られるので、
(私は同業者さんへの開業支援は商売にする気は毛頭ないので)
本に書いてしまえば、みんなそれを読んでくれるだろうと思っていたのですが
それは大きな間違いでした。

本を読んでくださった方が、私の考えややり方に共感してくださって
ご自身も同じようにやりたい、というのはとてもありがたくうれしいのですが
ひとつ言えることは、ずばり同じことをするのではなく
自分自身に落とし込んで行動をしてみるということが大事なのでは・・ということです。

本を読む人は他人の経験を活かしてショートカットを考えておられるのかもしれませんが
結果的に寄り道になったとしても、やったことで土台ができるということもあります。
例えば、私は本の中で行政協力は「止めること」と事業仕分けをしていますが
それは自分がやったから「止める」という答えを引き出せたからで
実はやったことで得たものも大きいのです。

本で書きたかったことは「引き際」が大事だということで
やってみて得ることが必ずあります。

勉強会の活用で人脈をつくりあげることを提案していますが
既にある勉強会に参加することもいいですが
まずは本に書いているように自分の周りの人(受験仲間等、自分と同じレベルの人)と
やってみるということも大事です。

勉強会は参加するだけではあまり得るものはなく
運営に回ってこそ本当の人脈もできてきます。
いきなり大きな組織で運営スタッフには入れないので
まずは手近なところで練習をするのです。

先日の出版感謝祭にも70名もの方にお集まりいただきましたが
思い起こせば、自分にとってのキーマンがつなげてくれた人脈から
大きくつながっていったことがわかります。
キーマンに対しては、自分からお願いしたのではなく
キーマンに応援してもらえる自分になるように意識して行動した結果だと思います。

他人に何かをしてもらいたかったらまずは自分がその人にとって役に立つことをやってみる。
先に与えるということですよね。

人それぞれ自分を取り巻く環境も違いますし
周りの人から求められる役割も違います。

いつも私が思っていることは
「自分の目の前にいる人を幸せにできなければ
もっと離れた人は幸せにできない」ということです。

出会うべき御客様と出会うためにも
まずは自分の目の前の人に自分から与えるを繰り返すことで
いつの間にか自分を応援してくれる人脈ができていくのではないでしょうか。

2011年05月14日(土)更新

大阪出版感謝祭を無事終えました!

昨日、大阪にて出版感謝祭を開催させていただきました。
今回も70名もの人にお集まりいただくことができました。
まずはみなさんにお礼申し上げます。

出版記念イベントは今回で5回目になります。
最初の書籍である『小さな会社のトクする人の雇い方・給料の払い方』のときと
前回の書籍『稼げる社労士の集客術』のときにそれぞれ大阪と東京で開催しました。

元々イベントを開催したり、企画するのがすごく好きで
「こんなことをやったらおもろいんちゃうかー」とか
アイデアがどんどん出てきます。

確か初めての東京のパーティに来られた方の感想で
「普通は出版祝いといえば、主催者がいて、著者は祝われるという位置にいることが多いけれど
いよりさんのパーティは自らガンガン仕切りまくっていました」というものがありました。

それはそれで参加者の方には楽しんでいただけたようですが
でも参加してくださっているみなさんは、そもそも私にお祝いとか、がんばったね、とか
本のここがよかったよ、とか言いたくて来てくださっているはず。

イベントを仕切る=みなさんとお話する時間がない、ということになるので
今回はまず人数を集めることは考えないことにしました。
いつもならイベント概要をホームページに載せて
ツイッターがブログで告知を行うのですが
今回は面識がある方への書面でのご案内と
事務所通信だけにしたのです。

参加者が10人でも20人でもいいや。
わざわざ出向いてお祝いの言葉をかけてやろう、って
思ってくださる方だけ集まっていただければよいし。
とにかく来てくださった方をおもてなしさせていただこうと考えました。

テーマを「昭和の宴会」としたのは、昭和の時代って今のように
SNSとかブログとかもなくてリアルの人間関係だけでつながっていましたよね。
あの時代のように、目の前にいる人と人とのつながりを大事にして
人の体温を感じたいなぁって思ったからです。

今回は、「みなさんへのおもてなしがメイン+昭和の宴会」ということで
めっちゃ短絡的ですが、自分がホステスとなってみなさんを
もてなすことにしました。

ホステスといえば北新地。
新地でドレスを調達し、美容院を探して
セットとメイクをお願いしました。

今、思えばそこまでやるのであれば
1週間くらい新地でアルバイトをして
接客を学ぶべきでした。
(雇ってくれる店があるかないかは別として・笑)

いつもなら受付でみなさんをお出迎えするのですが
今回はずっと潜伏していて、司会の方の「これから始めます!」の声で
なまめかしい服装でバーンと登場!
あのときの会場のざわめきは今も忘れません・笑
(ちなみに遅れて入ってこられた方に廊下で待機している姿を見られたのですが
私とは気づかなかったらしいです!恐るべし新地メイク!)

古くからの友人の30代男子は、「逆セクハラやー。夢に出てくるから止めて!!」と
拒否反応を示しておりましたが、ほかはおおむね好評というか
「ようそこまでやるなぁ」という感じでした(笑)

そうそう、新地でセットしてもらった美容師さんに
「今日は何かイベントですか?」と聞かれて
「出版のイベントなんです」と答え、ちょうど会場でプレゼントをする本を持っていたので
お見せしたところ『社員の辞めさせ方』の本にアンテナがビーンと立っておられたので
1冊プレゼントしました。
その方はその美容院のオーナーだったのですが、ぱっと話を聞いただけで
これって反応される本が売れる本なんだなぁって感じました。

今回も経営者会報ブログのみなさんにたくさんお越しいただきました。
司会をしていただいた村上さんをはじめ、締めのあいさつをしてくださった庄山さん
(携帯電話のやりとりの説明が絶妙でした!みんな「男らしいいよりさん」の
キーワードに反応しすぎやったし!・笑)
ブログに早速濃厚写真をUPしてくださった寺田さん、治部さん、澤田さん、
休会中のはまのさん、同じ社労士の西村さん、ありがとうございました!

お祝いの電報をいただきました古芝さん、お花をいただきましたニイホさんも
ありがとうございました!

そうそう、最初のあいさつの締めで言い忘れたのですが
命がある限り、世のために自分の命を使いきりたいと思っています。
社労士の仕事もその命をつかうひとつなのですが
それと同じ重さで、執筆の仕事も命を削ってやっていきたいと思っています。

本を書くことは、最初は御客様を増やしたい、自分の仕事の宣伝をしたい、という
下心がありました。でも今は、純粋に自分の経験や知識で世の人の役にたちたいと
考えています。

どうぞこれからも引き続き応援をしていただけますようにお願い申し上げます。





2011年05月10日(火)更新

頼もしや 女性経営者の先輩!

彼女たちに出会ったのはもう4年前のことになります。
私がまだ自宅を事務所にしていて
お客様が増えなくてもがき苦しんでいた時代でした。

勉強会で知り合ったライフプランナーの人とランチをしていて
「いよりん、今、どんな人に会ってみたい?」と聞かれて
「元気な女性経営者に会ってみたい」と言ったところ
紹介をされたのが彼女たちでした。

年齢は私より上の人も同じ年の人も年下の人もいます。
経営者もいる、経営者の娘もいる、従業員の立場で営業をしている人もいる。
みんな共通のことは、根がオッサンで、お酒が好きで歯に衣着せぬ物言いだということ(笑)
でも昭和の人間なので義理を欠くことなく、みんなまっとう。

普段、私の周りは実は男性の方が圧倒的に多いです。
経営者も男性が多いし、勉強会に行っても男性ばかり。

女性もたまにいますが、どちらかといえば、みんな
「いよりさんって、仕事も家庭もちゃんとやっておられてすごいですね」
的な、すごい人目線で私のことを見てくれてる女子が多いのです。

ところが彼女たちは容赦なしです。
今日も「今度、仙台に行くことになったんやけど、飛行機は飛んでないみたいやねん」と
少し弱音を吐いたところ、「何言うてるの?新幹線あるだけでもましやん。私なんか
新幹線ないときから日帰りで言ってたで」とバッサリ。

これまでも、職員さんが退職してしまったときなどに
色々弱音を吐いてみても、見事に跳ね返されます。
「あんたが、わがままやねん」とバッサリ。

そしていつも必ず言われることは、「あんたこんなに好きに仕事ができるのは
ご主人のおかげやで。大事にせなアカンで」と。
(ちなみに私以外の人は全員離婚経験者です・・・)

でもこれだけのことを言いはるだけ
ご自身は私よりもっとすごい山を乗り越えておられて
この人達に言われたら仕方ないなぁって感じです。

本音で話せて、でも根っこには温かい思いがあって
そんな彼女たちと知り合うことができて本当によかったです。

今日はそのメンバーの一人の講演でした。
感謝の気持ちは持つだけではなく、言葉を口にする
手紙を書く、メールで伝えるなど、具体的に行動しないと
相手には伝わらない。
感謝されることで人は自分の存在意義を感じるという話があり
まさに自分がきちんとできていないことだと気づきました。

人のご縁ってありがたいです。
彼女たちのチームの一員として
ふさわしい自分でありたいと改めて今日は感じました。


2011年05月09日(月)更新

満身創痍な感じ

思い起こせば昨年末のことでした。
事務員さんの急な退職があり、多忙の12月を一人で乗りきり
年が明けて、雑誌の原稿+単行本の原稿+確定申告+2本の大きなセミナー。
週末は事務所合宿の日々が3月初めまで続きました。

単行本が無事発売になり、一息ついたあたりから
身体がだるかったり、肩こりがひどくて・・・

会員になっているマッサージやさんから
お誕生日クーポンがやってきたので
今日、全身リンパマッサージ2時間コースに行ってきました!

足の裏までむくみがきていたようで
驚くくらいひどい状態だったようです。
肩はトクにひどくて、マッサージをする人に
「生活に不自由ありませんでしたか?」と
心配される始末。

色々ツボを押されてホンマに痛かったけど
おかげさまで随分身体が軽くなった気がします。

運動不足というのもありますし
何よりも加齢で代謝力が弱まってるんでしょうね。

我々の仕事は身体が資本なので
今年は自分の身体のメンテナンスもしつつ
仕事をしていきたいと思います。


2011年05月06日(金)更新

ゴールデンウィークは家族旅行に

ゴールデンウィークも後半にさしかかりました。
今日も電話は静かです。

うちの事務所は暦通りの営業・・というか
4月29日(金)30日(土)は仕事。
1日(日)は休んで2日(月)も仕事をしていました。

家族との時間も持たねばと思い
2日(月)は17時に仕事を終えて
子ども達と合流して実家に移動。

翌日朝に主人と合流して4日、5日と
名古屋港水族館→伊良湖(泊)
翌日は伊良湖から鳥羽にフェリーで渡り
伊勢で赤福氷を食べる旅に出てきました。

うちの家族はゴールデンウィークとお盆には
旅行には行かないという暗黙ルールがあります。
(車が混むのと主人は盆休みがないため)

しかし今年は春休みに旅行に行けなかったことと
娘が受験のため夏休みにも多分旅行には行けないので
行ってみましたが、やっぱり車が混んでたし
名古屋の水族館も気分が悪くなるくらいに人がウジャウジャいました。

でもよかったことは、やっぱり大阪を離れると
仕事のこととかスッパリ忘れてレジャーに集中ができるということです。

娘は12日から沖縄へ修学旅行に行きます。
先日、デジカメを買ってあげたので、デジカメの練習も
今回の旅行ですることになっていました。
すぐに慣れてバチバチ撮影しておりました。
(あ、、ここで娘撮影の写真を入れるとよかったのか・・残念!)

4月はブログを1回しか書いていなかったので
今月からまた書いていきたいと思います。




2011年04月11日(月)更新

谷口さんを囲む会 in 東京!

週末は震災後初めて、東京に行ってきました。
木曜日の晩に大きめの余震があり
念のため、懐中電灯、ズック靴、ミネラルウォーター4本、カロリーメイト2箱、
そして着替えを余分に持って行きました。
(すごい荷物になりました・汗)

東京は節電で暗いよー、と東京から大阪にやってくる友人に聞いていたのですが
日中の移動がほとんどだったせいかあまり感じませんでした。

到着した土曜日は日本橋の仙台の牛タンのお店で
青森から出てきていた友人とランチをして
その足で喜多川泰さんの講演に。

そして荷物をホテルに置いて
はじめて中央線で新宿より西に行きました。

谷口さんが出店されている吉祥寺東急に向かったのです。
吉祥寺はすごく活気がある町でした。

催事場でいつもと変わらぬ様子でお仕事をされる谷口さんがいました。
谷口さんのお店の前で出店されている仙台の野菜やさんに
私が書いた本を頼まれていたのでお持ちしました。
物々交換で野菜をたくさんいただきました(笑)

そして、20時まで催事の谷口さんをお店に残して
谷口さん待ちの「谷口さんを囲む会」に。
様子は小高さんのブログにて。

はなわさんも香港から帰国即で
駆けつけてくださり、みんな騒いで笑って
ビールや日本酒を飲んで
(飲み過ぎて、やや言動が怪しくなっていた人約1名・笑)
すごく楽しい夜でした。

ちょうど出張の前日に、東京出張から戻ってきたばかりの友人から
「東京にないのは、納豆とヨーグルト」って聞いていたので
納豆とヨーグルトを小さなクーラーバックに保冷材を詰めて
大阪から持っていっていたので、宴会場でじゃんけんで争奪戦になりました。

印象的だったのはヨーグルトと納豆をみんなが
携帯で写真を撮っていたこと。
今や希少品なのですね・・・

そしてじゃんけんで勝った人が納豆を取りました。
震災後1か月、納豆を食べてない・・とぽつりとおっしゃっていました。

お店の近くに井の頭公園があり、そこに花見に行く予定だったのですが
谷口さんが来られてすぐにお店を移動し、そこでお酒を飲んでるうちに
お花見のことをすっかり忘れてしまって(電車の時間もありましたが)
お花見に行けなかったのが微妙に残念でした。

東京のみなさんもいつもと変わらず元気だったし
谷口さんもいつものように背筋がピンとしていて
活き活きとお仕事をされていたし
みなさんの顔を見てほっとしました。

とっても楽しい夜でした。

2011年03月26日(土)更新

震災・計画停電における自宅待機等の取り扱いについて

このたびの東日本での震災、そして原発の問題、計画停電など
ご不自由を感じておられる方にお見舞い申し上げます。

震災直後から東京に支社を持つ会社の方から
社員を自宅待機させた場合の給料の取り扱いについて
ご質問をたくさんいただきました。

被災地の方だけではなく、今後計画停電も続いた場合
事業の運営と従業員の雇用の確保、給料の支払いなど
不安に感じておられる中小企業の経営者の方も
多くおられると思います。

地震発生から2週間。
休業に関する取り扱い等について
厚生労働省からの通達が出ていますので
まとめてお伝えしますね。

まず休業についての取り扱いです。

-----------------------------------------------------------------
【原則】労働基準法第26条(休業手当)
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、
休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を
支払わなければならない
------------------------------------------------------------------


リーマンショック以降、仕事が激減したことから
休業を余儀なくされていた会社もあるかと思います。
経済的な理由での休業は「使用者の責に帰すべき事由」として
取り扱われるので休業手当の支払い義務があります。
(上記労働基準法第26条)

それでは、今回の災害による休業が
「使用者の責に帰すべき事由」によるものなのかどうかですが
「天災地変等の不可抗力による場合」は「使用者の責に帰すべき事由」ではなく
第26条の適用はない、とされています。

計画停電についても、平成23年3月15日の厚生労働省の通達によると
「使用者の責に帰すべき事由」とは認められず
休業手当の支払いは必要がない、とされています。

シビアなようですが、労働契約とはそもそも労務の提供に対して
賃金を支払うというものです。
ノーワークノーペイが原則なのです。

では東北に工場があり、部品調達ができないので仕事ができず
会社を休まざるを得ない場合はどうでしょう。

通常、原料・資材等の不足による休業は「使用者の責めに帰すべき事由」と
して扱われ、労基法第26条の休業手当の支払い義務が発生します。

しかし今回については、その原因が不可抗力であると判断される場合は
休業手当の支払い義務は発生しません。

●不可抗力として判断される要因とは
1.その原因が事業の外部により発生した事故であること
2.事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くして
なお避けることができない事故であること


このあたりの取り扱いについては、3月18日付で労働基準法の取り扱いに関するQ&A
厚生労働省は出しています。

こんなときだからこそ社員の生活を守らなければならない、という
経営者の気持ちから、自宅待機であっても全額補償をしている企業も
多いようですが、計画停電もこれからも続くことを考えると
会社も生き残りをかけてシビアに判断をしなければならない
局面もでてくるかもしれません。

企業だけに負担を負わせるのではなく
国もセーフティネットを準備しています。

■従業員が使える制度
1)休業を余儀なくされている従業員に失業給付を支給
震災が原因で会社が休業し、
休業手当も受給できない労働者を保護するために
雇用保険の失業給付の特例措置
準備されています。
こちらは失業していなくても失業手当を受給できるという内容です。

2)退職を余儀なくされ未払い賃金がある場合は、立替払いの請求ができる
さらに退職を余儀なくされ、賃金も未払いの場合は
賃金の支払の確保等に関する法律により
未払い賃金の立替払いを請求することができます。
(窓口は事業所を管轄する労働基準監督署)
こちらについても被災地域についての
取り扱い通達が3月23日に厚生労働省から出ています。


■会社が使える制度

会社が休業手当を従業員に支払う場合については
雇用調整助成金の利用ができる場合もあります。
(売上げが前年対比5%減などの要件あり)

震災の被害が大きかった青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県のうち
災害救助法適用地域に所在する事業所の場合は特例措置も設けられています。

最後に事業の継続が困難になった場合、従業員を解雇せざるを得ない
ということもあるかと思います。
通常、従業員を解雇する場合には、30日以上前の予告、もしくは
平均賃金30日分以上の解雇予告手当の支払いが労働基準法第20条で
義務付けられています。
但し「天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が
不可能となった場合」は解雇予告の除外事由とされています。
事業所を管轄する労働基準監督署の認定を受けることが必要です。

この場合、「天災事変その他やむを得ない事由」があるだけでは
事足りず、そのために「事業の継続が不可能」となることが必要です。
「事業の継続が不可能」であったとしても、原因が「天災その他
やむを得ない事由」でない限りは解雇予告除外の認定を取ることはできませんのでご注意ください。

*今回のブログにつきましては厚生労働省HP及び
『労働基準法コンメンタール』(厚生労働省労働基準局編)を
参考に書きました。

2011年03月25日(金)更新

うれしかったこと2つ!

今日、お客様の会社の社員さんにクッキーをいただきました!

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年金の手続きなど個別で相談を受けているときに
ふとした会話から同じ大学の出身であることが判明しました。
その社員さんは、現在は関東にお住まいなのですが、大阪本社に来られたついでに
久しぶりに母校に行ってきた、ということで、
「このクッキー2つ買ってきたし、ひとつ持って帰り」と下さったのです!

お客様の会社の社員さんから何かをいただくって、初めての経験で
ビックリしましたがとってもうれしかったです。

さらに、もうひとつうれしかったこと!
新刊『小さな会社の正しい給料の下げ方・人件費の減らし方』
出版祝いを知り合いの経営者さんたちがやってくださることになりました。

本を4冊書いていますが、常に自分が主導でパーティやらなにやらをやってきたので
誰かに御祝いをしてもらうのは、実はこれが初めてなんです。

2日くらい前に、今回主催してくださる経営者の方に
「久しぶりに○○に飲みにいきたいです。本もできたし」と
メールをしたところ、あっという間にメンバーを集めてくださいました。
めっちゃ感激です。

幹事体質なので、常に自分が仕切らないと!って感じで
めっちゃがんばってきたけど、他人に甘えることも大事だなぁって思いましたよ。

他の誰かが自分のために何かをやってくれるってうれしいですね!

2011年03月22日(火)更新

大事な人を守りたいと思っても

人に悪く思われようと思って生きている人はいないと思う。

拙著『社員の正しい辞めさせ方』は世間の人からの風当たりも強いです。
さらに次は『正しい給料の下げ方』の本を書いたとなると
「この人、一体何を考えてるねん」って思われるのかなぁって心配しています。

しかし、人に悪く思われたくないので、マイナスの決断ができず
結局自分も周りの人も不幸にしてしまう、ということもあると思います。
経営をするためには、時には冷徹な判断をすることが求められることも
あるのです。

本に書くことで、そういう選択肢もあるんだ・・ということを
経営者の人に知ってもらえれば、という思いで書きました。

仮に冷徹な判断をしたときに、傷つくのは辞めさせられたり、
給料を下げられたりした人だけではなく、
判断を下した人もとても傷ついていると思います。

大事な人を守りたいと思っても、自分の力不足で守れないときがある。
もがけばもがくほど空回りしてしまうことがある。

世の中には色々な立場の人がいて
自分にできることって限られてるよなーって思う今日この頃でした。

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