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2011年06月09日(木)更新

金曜日は東京の出版記念パーティ

6月10日(金)東京で出版記念パーティがあります。
出版記念パーティは今回で6回目なのですが
今までは自社主催だったので、誰かが開いてくださるのは初めてです。
東京のイケメン社労士であり、著者の先輩であるお二方が
幹事をしてくださることになりました。

幹事は経営者ブログに今春入会された佐藤広一さん
5年前に通っていた人事あすなろ塾で同期生だった山田順一朗さんです。
(写真は昨年の出版記念パーティで初対面した佐藤さんと)
































今回は3月に初めての著書『図解でわかる 社会保険 いちばん最初に読む本』
出版された、同じく社労士の山田芳子さんとの合同のパーティになります。

幹事のお二人はめちゃめちゃ精力的に動いてくださり
当初定員50名だったのですが、80名超の人たちを動員してくださいました。
リストを見せていただいたのですが、初めてお目にかかる方もたくさんいて
多分私のことを知らない人もたくさんおられるはず(笑)

イベントの景品の買出しや打ち合わせなど、6月は労働保険の年度更新等あり
社労士としては繁忙期のはずなのに、私たち二人のために動いてくださり
開催前から感動の気持ちでいっぱいです。

パーティは本当に楽しいのですが、出席者のリストの管理、お店とのやりとり
イベントの準備、当日の進行、つり銭や領収書の準備等、やることがたくさんあります。
時間を割いてお祝いに駆けつけてくださる方たちをおもてなしするので
それは当然だし、楽しい時間ではありますが、正直大変です。

今回その大変なことをすべて引き受けて下さり
私は当日着ていく衣装だけに集中できたので(笑)
本当にありがたいと思っています。

出版記念パーティというより、参加者の方たち同士の大交流会のイメージで
たくさんの方とお話して楽しみたいと思います。
ホンマにありがたいなー。
当日がとても楽しみです!

また当日の詳細及び、いよりんファンお楽しみの衣装はブログでアップします!
(ちなみに大阪とは違う衣装です・笑)

2011年06月07日(火)更新

6月11日(土)仙台初上陸です!

6月11日(土)生まれて初めて仙台に行くことになりました。
ベストセラー『結果を出す人はノートに何を書いているか』の著者の
美崎栄一郎さんのセミナーのおまけ(笑)で行くことになったからです。












セミナーはこちらです。
HOPE100 東日本大震災チャリティセミナー
自分の軸をつくるパーソナルブランディングワークショップ


<著者仲間スペシャルゲスト>の中のひとりとして私は参戦します。

そもそものきっかけは美崎さんが主催されている築地朝食会でした。
6月11日の早朝に開催される築地朝食会のゲストとして私は呼ばれており
美崎さんがそのまま仙台に行かれることを聞いて
「私も一緒に連れて行ってください」とお願いしたのでご一緒させていただけることになった次第です。

地方は家族や友人と観光で出かけるのもいいのですが
やはりせっかくなら、地元の人と話してみたい、そう思っています。
昨年12月に八戸に初めて行ったときもひとりで現地でのセミナーに参加しました。
そこに参加されていた地元の人たちと交流することができて
本当に楽しかったし、人の温かさに触れることができたので
今回の仙台もすごく楽しみです。

おいしいものをたくさん食べて、お土産も買って
仙台を楽しみたいと思います。
被災地に対する支援とか大きなことは私にはできませんが
いつもの私のまま、仙台を楽しんできます!

仙台で感じたこと、仙台の様子は後日ブログにUPしますね!


2011年06月07日(火)更新

みずほ総研さん発行<経営参考BOOK>に寄稿させていただきました

みずほ総合研究所さんが会員企業向けに毎月発行されている
<経営参考BOOK>に寄稿させていただきました。
今月発行されている6月号に『トラブルを起こさない雇用のルールQ&A』という
内容で書かせていただいております。













内容は今まで日本実業出版社さんで書かせていただいた

『小さな会社の<トクする>人の雇い方・給料の払い方』
『トラブルにならない社員の正しい辞めさせ方・給料の下げ方』
『小さな会社の正しい給料の下げ方・人件費の減らし方』

これら中小企業向けの労務管理3冊シリーズをコンパクトにまとめたものです。
小冊子を読んでいただいて、より詳しい情報をお知りになりたい場合は
ぜひ書籍をお読みいただければと思います。

私は毎月事務所通信(メルマガ)を発行しています。
積極的にメルマガを告知しているわけでもなく
もちろん名刺交換をした人に強制的に送るということもしていませんが
現在登録者は500名くらいになりました。

今月号の事務所通信で、この小冊子を希望者にプレゼントさせていただく旨を
お伝えしたところ、なんと50名もの方から応募をいただきました。
この10%の返信率ってメルマガをされている方であればお分かりかと思いますが
すごい数値です。

全く面識がない方がほとんどで、おそらく書籍をお読みになり
ホームページを見ていただいてメルマガ登録をしてくださったのだと思います。
ありがたい限りです。

私が発信する情報を楽しみにしてくださる方がいるってうれしいですね。
これからも自分が世の中の人のために何ができるのかよく考えて
人様のお役に立つ情報を発信していきたいと思います。

2011年06月05日(日)更新

e製造業の会 琵琶湖BBQに参加してきました!

6月4日は毎年恒例となっているe製造業の会琵琶湖BBQでした。
梅雨の合間で気持ちのいい天気。
いつもの気のおけない仲間が集まりました。
























このバーベキューはすごい豪華です。
お肉は近江牛ドットコムの新保さんが採算度外視で提供してくださる正真正銘の近江牛。
お肉を焼く七輪は七輪本舗の長田さんが提供。炭はもちろん最高級備長炭。
諸々お世話係は、宴会奉行のe製造業の会リーダーの村上肇さんです。
(写真は私が愛する近江牛のホルモンです!)

























私は自分の子ども2名と息子の友人3名を連れて参加しました。
お肉、めっちゃ美味しかったです。
車を運転していったのでビールが飲めなかったのが
めちゃめちゃ残念でしたが、琵琶湖の風に吹かれて木陰の下で
参加者のみなさんととりとめのない話をしたりしてあっという間に時間が過ぎました。
(写真はメイン幹事の長田さんと新保さん。そしてBBQになぜかスーツ姿の永本さん(笑))
























子どもたちは毎回恒例(?)のドッジボールに夢中。
大人を誘いこんで大人VS子どものドッジボールをしていました。
大人(30代、40代の立派な経営者メンバーです)も
やっているうちに本気になってきたらしくみなさん汗をかいて
真剣にやってはりました。
(相手も6年生なのでかなり真剣にやらないと大人の威厳が保てなかったらしいです・笑)

帰りは子どもたちのリクエストで大津でサーティワンに寄り道をして
アイスを食べながら反省会。
子どもたちはすごく楽しかったようで、「また来年も連れていってー!」と
全員からリクエストされました。
大人チームにドッジボールを連敗したのがよっぽど悔しかったらしく
「来年は学年で一番ドッジボールが強い○○君に声を掛けよう」と言ってました。

無事に自宅まで帰着してからも彼らのコーフンは収まらず
自転車で近所のスーパー銭湯に行くことになり
晩御飯まで食べて帰宅は晩の23時近くになっておりました・・・

とっても長い1日ではありましたが、楽しかったです。
私は大人の世界を子どもにも知ってもらいたい、と思っています。
子どもたちに家族以外の大人とも交流してほしいし
大人になるって楽しいことなんだって思ってもらいたいです。

バーベキューを企画運営してくださった村上さん、新保さん、長田さん、
そして子どもたちの相手をしてくださった参加者のみなさん
ありがとうございました!

2011年06月03日(金)更新

藤巻幸夫さんの講演に行って来ました!

今日は2年前に出版記念パーティを開催した
思い出の堂島ホテルにて「堂島塾」に参加してきました。
























テーマは『これからの Re  プロダクトビジネス』
講師は、元伊勢丹のカリスマバイヤーである藤巻幸夫氏
     堂島ホテルを含め数々の空間プロデュースをされている中村 貞裕氏
     大河ドラマ『龍馬伝』で高杉晋作役の伊勢谷友介氏の3人の対談形式でした。

(写真左端が伊勢谷氏。ご本人に確認の上で写真を撮らせていただいたのですが
全身が映らないように撮影させていただきました)

司会の進行により「再生」「絆」「場をつくること」などについて
それぞれが意見を述べられました。

藤巻さんはモノ作りの現場に今もおられることから
そもそも無駄なモノをつくらないことで、エコになる。
ファストファッションよりも、代々伝えられるようなものを。
(フランスのように)
というようなご意見でした。

伊勢谷さんはリバースプロジェクトという組織をつくられ
人類が地球で生き残るためにやるべきことに取り組んでおられるそうです。
エコを意識することでコストが大幅にかかるとしても
そもそも「地球を守る」ということが目的であれば
それはお金を中心に物事を考えるのではなく、本来の目的を中心に考えるべきだと
おっしゃっていました。

中村さんは、GWに大阪駅にオープンした伊勢丹の中にある
ショップのプロデュースもされています。
堂島ホテルの再生の総合プロデュースだけではなく
最近は地方で100年以上の歴史があるホテルの再生などにも
取り組んでおられるそうです。

ヨーロッパではできるだけ古いものを残して
中身だけをリニューアルするという考えが中心らしいのですが
日本はスクラップ&ビルドの考え方で、新しいものをどんどん作っていく風潮になっているとのことでした。

話は震災後の政府の対応云々にも及んだのですが
嘆いていても何も変わらない、動かないので、
現状の中で自分ができることは何かを冷静に見極め
そして行動することが大事だとみなさん、熱く語っておられました。

対談は休憩なしで2時間半でした。
中村さんはやや抑え目でしたが、藤巻さんと伊勢谷さんはとても熱いトークで
伊勢谷さんは、『龍馬伝』の高杉晋作のイメージが全くなかったです。
声の出し方も違ったので、ドラマでは演技で高杉晋作になってたんだなぁ、
俳優さんってスゴイなぁって感じました。

今回堂島塾は知り合いが教えてくれて参加したのですが
なんとこんな豪華ゲストで参加費はたったの3,000円。
その後懇親会(1時間の立食パーティ)がありました。
講師の3人の方も参加されて、名刺交換をさせていただいたり
伊勢谷さんともお話することができました。
(あまりに男前で直視することができませんでしたが・・笑)

藤巻さんも伊勢谷さんも中村さんもみなさんすごい人なのに
自然体で、みんなに取り囲まれながらもずっと笑顔で対応されていました。
藤巻さんはホンマにパワーがあふれ出していて、色々な人を
引き合わせておられました。
対談のときもご自身が積極的に話されるだけではなく
他の人が話しているときに前のめりになって、その人を見て
大きくうなづきながら話を聞かれている姿勢が素敵でした。

参加者は伊勢谷さん目的と思われる女子と
広告代理店やクリエイター系のかっこいい男子が多かったです。
講演は170名。懇親会は50名くらいだったと思います。

いつもとはまた違う空間で学び、気づきがありました。
何のためにそれをやっているのか、どこに向かっているのか
そして今何をやらなければいけないのか、自分の事業に置き換えて
じっくり時間を取って考えてみます。









2011年06月01日(水)更新

東京の社労士・佐藤広一さんのセミナーに行ってきました

昨日は経営者会報ブログの会員でもある東京の社労士・佐藤広一さんが大阪で
セミナーをされたので参加してきました。

テーマは「"12冊の著書を出版した社労士が語る" 事務所を成長させるステージ毎のドライブのかけ方」

佐藤さんの生い立ちに始まり、なぜ社労士になったのか、
親族一同の反対に合いながら、なぜ独立をしたのか
そして独立をしてから本を14冊も書き、全国に講演に出かけ
上場企業のクライアントを持ち、都心の一等地で職員4名と
事務所経営をするに至った経緯など、本邦初公開の
洗いざらいトークを聞かせていただきました。

私は自分自身『稼げる社労士の集客術』という本を書いています。
自分と同じように資格を取って独立はしたものの
なかなか食っていけない人たちに何かヒントを出せないかと思って書いた本です。

しかし、自分自身は実は同業者の、いわゆる成功術セミナーに参加するのは
初めてのことでした。
これは佐藤さんご本人もおっしゃっておられたのですが
人それぞれのやり方があるので、自分は自分のやり方を見つけるべきだと
考えているので、同業者よりも、他業種の話を聞くことが多かったのです。

しかし!お話を聞いていて、今までのどんなセミナーよりも
自分ごととしてどんどん腹に落とすことができました。

佐藤さんは実は事務所の売上げもグラフにして提示されていて
そのステージごとにやってきたこと、スタッフの数など
詳細に説明をしてくださいました。

営業方法などの「やり方云々」もありますが
何よりも、今、すごく成功されていると思える方も
いきなりそのステージに上ったのではなく
ひとつずつ悩みつつ壁にもぶつかりつつ
でもあきらめずに前を向いてやってきたからこそ
今のステージにいらっしゃるんだなぁというのが
よくわかって自分もくじけず前を向いて進んでいこうという
気持ちになりました。

そして上昇気流に乗せるためには
出会った人へのアフターフォローなど
当たり前のことを面倒がらずに
きちんとひとつずつやっていくことなんだなぁって
改めて感じました。

あとは、人がやっていていいことや
成功している人の行動パターンを真似てみる、
考える前にとりあえず行動してみるって大事だなぁって
感じました。

私も自分の事務所をどの規模でやっていくのか
スタッフの補充はどうするのかなどなど
仕事がないときには悩まなかったことで
今は悩んでおります。

自分の前をいく佐藤さんのお話で
勇気をもらい、やっぱりじっくり時間を取って
事務所経営について考えようと思いました。


2011年05月29日(日)更新

自分の時間単価を上げることを意識してみよう

先日、社員の命を守るためにも、過重労働は絶対にダメだというブログを書きました。
これは常日頃から、顧問先の御客様にも申し上げていることです。

それに対して、「『手取りを多くしたいので、残業をさせてくれ』と社員から言われるのです」と
おっしゃる経営者も中にはおられます。

労働時間を長くすることでしか、自分の手取り額が増えないと
考えている人がいれば、考え方を変えるべきです。

すなわち、労働時間を増やさないと手取りが増えない、ではなく
自分の時間単価自体を上げる方法を考えるようにするのです。

しかし、高く飛ぶためには一旦しゃがんだり、助走が必要なように、
自分の労働単価を上げる=ステージを変えるためには
自分の時間やお金を投資してでも、ステージを上がるための
力を身につけるべきです。

雇われている人は、自分に対する<投資>というマインドが
欠けている人が多いように感じます。
勉強のための本は会社が買ってくれるもの、研修は会社の費用で行かされるもの、と
考えていては自分自身の力にはなりません。

人間、最後は自分の力で生きていかなければなりません。
どんな大きな会社であっても何が起こるかわからない世の中です。
会社に頼ったり、会社のせいにするのではなく
自分の面倒は自分で見るつもりで成長させなければ
いつまでたっても、労働時間でお金を稼ぐ仕事しかできないのでは
ないでしょうか。

私は12年前、第二子出産のため
11年間勤務していた会社を退職しました。
当時の月給は32万円くらい。
賞与を入れて年収450万円程度だったと思います。

しかし出産後に勤務をした司法書士事務所では
時間給750円のパートタイマーでした。
9時から16時まで毎日仕事をしても月給は8万円か9万円。
前年の所得で計算される子どもの保育料が月額6万円くらいでしたので
ほとんど手元には残らない状態が1年続きました。

それでも、その条件で仕事を続けたのは、小さな子どもを二人抱えているという
ハンデがあることを認識していたので、無理して正社員で仕事をするのではなく
その期間については、お金ではなく、キャリアをつなぐことさえできればよい
と考えていたからです。

すなわち、子どもたちがもう少し大きくなり
本格的に社会復帰をする際に、履歴書の職歴に<無職>の空白期間を
つくりたくないことが第一の目的だったのです。

結果として、司法書士事務所での勤務がきっかけで
社労士資格取得をめざすことになるのですが
ここでも費用をかけずに時間を使って勉強するよりも
自分の年齢(当時35歳でした)を考え
お金を使って合格までの時間を短縮することを考えました。

資格学校に通って勉強をすることにしたのです。
資格学校の費用は全部で50万円くらいかかりました。
(うち25万円は教育訓練給付金で還付をもらいました)

その費用は最初の仕事を辞めたときの
失業給付と再就職手当でまかないました。
半年の勉強で1度の受験で合格したのは
これ以上お金をかけることはできない、
という必死さがあったからだと考えています。

社労士の受験が終わってから勤務をした
会計事務所でもスタートの時間給は900円でした。

この事務所では、仕事ができるようになるにしたがって
自分で交渉をして給料を上げてもらったり、
パートでしたが賞与での評価をしてくださったので
司法書士事務所時代よりも年収は上がりましたが
それでも正社員のときの半分くらいでした。

会計事務所の時代も目的はお金ではなく
社労士としての実務経験を積むためでしたので
必死で仕事をしました。

給料に関係なく、一所懸命仕事をしていると
それは他のスタッフにも御客様にも伝わりますので
どんどん仕事をまかせてもらえるようになります。

その結果、自分が目的としていた
実務経験を積むことができ
退職してからも、仕事を紹介してもらえたのは
勤務時代の仕事ぶりを見てくださっていたからだと思います。

仕事をしていく中で、「負けない」「損をしない」を考えることも大事ですが
逆に「これだけを得ることができれば、他は目をつぶる」があっても
よいのではないでしょうか。

損をしない生き方をしたいのであれば、雇用が保障されていて
給料も緩やかではありますが右肩あがりの公務員になればよいと思います。

私の場合は、「キャリアをつなぐ」そして「社労士としての経験を積む」を
第一に考えていました。
これだけ仕事をして1時間900円しかもらえない自分が情けなくも思いましたが
それが逆に将来はもっと稼いで取り替えそうという気持ちにつながったのだと思います。

今は単発の御相談を受けるときは、90分以内で3万円という相談費用を設定しています。
経費等もかかっていますし、ずっと単発相談が詰まっているわけではないので
単純比較はできませんが、この仕事だけを考えると時間単価は2万円ということになります。

自分の時間単価を上げるために力をつける社員を会社は手放さないでしょうし
自分の器と会社の器が合わなくなれば、さらにステップアップを目指して
転職をすればよいのです。

「自分の給料は自分で上げる」
この意識を持った社員こそが経営者が望む人材だと考えます。
労働時間ではなく、時間単価を上げるために何をすればよいのか
経営者だけではなく、働く人が自ら考えることができる組織が
本当に強い会社だと言えるのではないでしょうか。

2011年05月27日(金)更新

社員の健康管理を真剣に考える時代に

居酒屋チェーン 日本海庄やで勤務していた店長の過労死事件の高裁判決が5月25日に出ました。
高裁も下級審判決を支持し、過労死に至るような長時間労働を従業員にさせたことについて
会社の責任のみならず、会社役員の責任も認める判断を示しました。

こちらの会社では、募集の際に提示していた給料の額は、80時間の残業をした場合に
支払われる金額で、<基本給(最低賃金)+80時間のみなし残業代>という形になっていたそうです。
80時間のみなし残業代とはいえ、80時間の残業をしないと減らされる仕組みでした。

法定労働時間を超えて、従業員に仕事をさせる場合、会社は時間外協定(36協定)を締結して
労働基準監督署に届出をしなければなりません。
時間外協定を締結する際には、一定期間の残業時間の「限度時間」が定められています。
1年単位の変形労働時間制を導入している場合は1か月42時間、1年であれば320時間。
それ以外は1か月45時間、1年であれば360時間が限度です。

しかし例えば決算処理などでどうしても特定の期間だけは
その限度時間内に残業時間が収まらない場合は、
「特別条項付」の時間外協定を締結することができます。
特別条項を結んだ場合、限度時間は会社で決めることができますが(時間の上限なし)
その期間は1年のうちの半分を超えないこと(すなわち6か月を超えないこと)とされています。

日本海庄やでは、時間協定の限度時間は月100時間としており
実際に時間外残業が100時間を超えるようなシフトの組み方で
長時間労働を抑制しようとする意思が全く見られなかったこと、
さらに健康診断の実施も行っておらず、従業員の命を守るという意識が
見られないということで、過労死事件で初めて、会社だけではなく
人事担当役員を含む役員個人にも損害賠償責任を負わせる判決となりました。

人の命はひとつしかありません。
従業員の命は必ず守るというのが、人を雇う経営者が最低限やらなければならないことです。

飲食店や運送業では長時間労働が常態化し、
「うちの業界はこんなものです。労働基準法を守っていたら会社がなくなってしまいます」
など言われる経営者も中にはいますが
長時間労働は、社員の命・健康に直結するという意識を持ち
真剣に会社として取り組みを考える時期に来ているのではないでしょうか。

さらに、中小企業でおざなりになっているのが健康診断です。
「受診させる時間がない、受診させる費用を会社が持たなければならないのであれば
負担増になるのでやりたくない」など、できな理由を述べる経営者も多くいますが
健康診断を実施して、社員の健康管理をすることも会社に課せられた義務なのです。
(労働安全衛生法に定めがあり)

何か起こってからさかのぼって健康診断を受診してもらうことはできません。
「知っていればこんな無理はさせなかったのに」と考えても後の祭りなのです。

■今回の日本海庄やの事件から学ぶべきことは以下です。

○みなし残業代を給料の中に取り込む場合は、上限は時間外協定の限度時間内に収めること
○会社として時間外労働の削減するための取り組みを行うこと
・法定労働時間を知った上で、自社の労働時間の実態調査を行う。
 どの部署でどんな業務で時間外労働が発生しているのかの分析を行う。
・時間外労働が社員の能力が劣ることで増えている場合は業務の負担を減らす、配置転換をするなどの
対策を行う
・時間外労働が過重な業務によるものの場合、業務分担の見直し、人員の投入、外注の活用などの対策を立てる
・休日出勤を減らすことで、労働時間の削減に効果あり
○社員の健康管理を徹底すること

なお、平成23年4月から各都道府県労働局の労働衛生課は健康課と名称を変更
労働局でも過労死・メンタルヘルスへの対策を強化するようになっています。

残業時間を減らすことで、結果的に残業代も減ります。
しかし残業時間を減らすためには基本的には人員の補充が必要になるので
社会保険料も含めた人件費は上がることになります。

しかし人員の配置や業務フローの見直し、外注の活用などは
経営者がやるという判断を示さなければ取り組みをすることができません。
「人の命は何にも変えられない」これを頭に入れて
長時間労働の削減に真剣に取り組みをされることをお薦めします。






2011年05月20日(金)更新

会社を辞めて資格で独立開業を考えておられる方に

社労士に新規登録される方には年配の方もたくさんおられます。
在職中に資格を取り、定年退職後に年金をもらいながら
在職中の経験を活かし、小遣い稼ぎに仕事をしてみるか、といった人たちです。

実はそういった方から開業相談をよく受けるのですが
共通して感じることがあります。

それらは、年代関係なく会社を辞めて独立開業しようと考える人にとっても
必要な情報かと思いますのでブログで共有させていただきます。

私自身も11年間、会社勤務をして、司法書士事務所、会計事務所、そして
労働基準監督署で勤務をしてから開業しました。
元々自営業をするなんてこれっぽっちも思っていなかったので
「給料をもらう人」から「自分で稼ぐ人」への意識の切り替えに時間がかかりました。

「給料をもらう人」のときは、給料が安いとかボーナスが出ないとか色々あるかもしれませんが
基本的に持ち出しはありませんよね。
移動の交通費は全額会社負担。備品や事務机もあって当然。
自分が使った電話代やインターネットの接続費用を請求されることもありません。
入ってくる給料はすべてプラスです。自分の自由に使うことができます。

ところが「自分で稼ぐ人」になった瞬間に、入ってくるお金は
支払いのためのお金になります。
それどころか、お金が入ってくる前に、支払いが先行するのが
「事業を始める」ということなのです。

開業相談に来られる人の話を聞いていると
まずお金を使うことにすごく抵抗がある人が多いように思います。
名刺にはコストをかけず、ホームページなんてとんでもない、なんてなると
どうやって自分の情報を他人に伝えるのかなぁって思ってしまいます。
お金が入ってから支払い、と考えていたとすれば大きな間違いです。
お金が入ってくる仕組みをつくるために先に支払いがやってくるものなのです。

さらに、皆に共通していることは、面談のときに、会社員時代の実績を
事細かに説明し、「自分にしかそれはできない」と思い込んでる人が多いことです。
勤めていた会社ではそれができる人はご自分しかいなかったかもしれませんが
世間には同じことができる人がたくさんいます。

必死で勉強して取った社労士資格さえも
同じ資格を持っている人が世の中にはわんさといるのです。

もちろん勤務時代に積んだ経験は仕事の中で活かすことができます。
しかし、あくまでも御客様のニーズがあることが先です。

例えば紹介で御客様のところに行ったときに
自分ができることだけを延々としゃべり続ける社労士ってどうでしょう。
我々の仕事は御客様の困りごとを解決する仕事です。
まずは御客様の話を聞き、その解決手段のひとつの提案として
自分の経験を例を出すくらいに留めておいたほうがいいです。
なぜならば、あなたの会社でのやり方は、あくまでもその会社でのルールや
慣習に沿ったものでしかないからです。

さらに御客様を紹介してもらえる人脈の作り方ですが
会社の看板をはずしても、あなた個人を応援してくれる人脈を
在職中につくっておくべきです。

開業しようと思ったらまずは開業案内を出すリストを整備し
主だった人にはあいさつに出向くという行動を起こすことです。

このときに注意すべきことは、あなたの行動は相手の時間を
奪っているという意識を持つことです。
アポイントを取ること、時間を守ることは常識ですが
時間を割いてくれたことに対して感謝の気持ちを示すべきです。
可能であれば相手にとって有益な情報を個別に準備すべきでしょう。
その情報は自分の仕事の売り込みではなく、あくまでも相手視点で考えることです。

資格を取って開業すれば仕事が降ってくるわけではなく
自分で頭を下げて、まずはあなたのことをよく知っている人に
まずは自分の仕事を説明し、応援してもらえるようにお願いするべきです。

私の初めての御客様は幼馴染のお兄さん(税理士さん)が紹介してくださいました。
社労士としての経験はなかったけれども、私の人となりをよく知っておられたので
開業祝いにご紹介してくださったのです。

既に自分と付き合いがある人からの紹介を受けられないのに
開業してから異業種交流会とかで知り合った人から紹介を受けられるはずがありません。


さらに意識すべきは


・会社員時代の感覚を脱ぎ捨て、収益を得るために投資をするマインドを持つこと
・自分ができることを整理した上で、まずは人の話を聞くことに徹すること
・資格を持っている、経験があることだけで仕事が沸いてくることはないこと
・まずは自分の知っている人に自分の仕事を知ってもらうこと
・人に話しを聞いてもらうためには、まずその人の役にたつことを自分が先にすること
・社労士とはどういう仕事なのかを体感するために、まずは社労士会に積極的に参加をして他の社労士の話を聞くこと


などがあげられるでしょう。

ホームページの作成やメルマガ・ニュースレターの配信など、情報発信のためにやるべきことは
その他たくさんありますが、(これら詳細は拙著『稼げる社労士の集客術』に書いています)
まずは自分の周りにいる人に応援してもらえる自分になることを
考えて行動に移すことが先決です。

お金を使うのが嫌な人。人に頭を下げたり、行動するのが面倒、おっくうな人は、
投資をしたところで回収できない可能性があります。
はっきり言って自営業には向いていません。
独立開業はあきらめて、他に年金等収入があるのであれば、行政協力だけに参加をする、
社労士会の仕事を手伝うなどの選択をすれば投資もありませんし、
適当に時間もつぶれるのでよいかと思われます。

自営業の世界はとても厳しいです。
自分の看板を自分でつくりあげていかなければなりません。
片手間でできるものではないので、やるならやるで本気でやっていただくようお願いします。




2011年05月17日(火)更新

元上司と12年ぶりの宴席

今日は、私が新卒で入社し11年間勤務していた
会社の入社当時の上司(直属の課長+部門長+同じ部の課長)4名と
一緒にお食事をしました。

集まるきっかけになったの私の出版感謝祭です。
元上司にも案内を送りました。
欠席の連絡を電話でいただき、近況をお聞きして(みなさん定年退職されています)
それならば、一度お食事でもいかがですか?と声がけをして
今日の宴席となりました。

会社員のときはご多分にもれず、会社の組織について文句を言ったり
営業だったので予算云々に対する文句を言ったりして決していい社員ではなかったと思います。

しかし会社を辞めて独立してからは
会社で11年間学んだことが自分の身になっていることに気づきました。
今でもすごく困ったときは会社の上司が夢に出てきます。
夢の中で上司に相談している自分がいるのです。

会社を辞めた時点では会社でこれだけ学ばせてもらったことに気づいていなかったので
そのままあっさり退職しましたが、ずっとお礼を言いたいと思っていたので
今日は本当にいい機会でした。

直属の上司だった課長からは、私が10連休を取って海外旅行に行きたい(というか行く!という決定事項でした・汗)と
言い出したときに、会社の上層部と掛け合ってくれたこと、
そして私が休んでいる間に予想される仕事を全部便箋に書き出して上司に提出していて
その内容があまりに完璧だったので、これならば大丈夫と思ってくださったこと
(便箋の件は私はすっかり忘れていました)など昔話に花が咲きました。

私が「こんなに何もできない自分に給料を払ってくれた会社ってすごいと今になって思っています」と
部長に伝えると、部長はこうおっしゃいました。

『人を雇うことで「足し算」になっている間は、足をひっぱっている人には給料は払えないけれども
「掛け算」になっているとひとりくらい仕事ができない人がいても十分給料は払えるんやで』
ということでした。

さらに私は確かにぶっ飛んでいたけど(笑)
元上司4人が口をそろえて言ってくださったことは
「あんたは、よう人の話を聞いていた」ということでした。

自分では意識はしていませんでしたが、実は今もそのスタンスは変わっていなくて
とりあえず人の話を聞いて吸収しようという意識はめちゃめちゃあります。
20年前の私もそうだったのか、とわかってとってもうれしかったです。

元上司チームは定年を迎えられ、ご家族の介護とか会社勤務のときには
表に出で来なかった家族のことなど色々問題も抱えておられるようでしたが
みなさんお元気で、むしろ会社の諸々のストレスから開放されて
顔色もよくて楽しい時間を過ごすことができました。

自分ひとりの力で大きくなったように思い勝ちですが
実は今の自分はたくさんの人が作り上げてくれたものなんだなぁって
改めて感じました。

そして何より会社で学んだこんなこと、あんなことが
今、こういう風に役に立っています、と元上司たちに報告ができたことが何よりでした。

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