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2011年03月21日(月)更新

自分で事業を営むということ

私が社会保険労務士として独立開業して
もうすぐ丸5年になります。
(平成18年4月1日独立開業)

実家の父はサラリーマンでした。
一部上場企業に勤務していたので
今も企業年金で悠々自適の暮らしをしております。

実家の父は和歌山の山奥の8人兄弟の7番目。
遺産分けで大阪に小さな家を買ってもらって新婚生活をスタート。
家族が増えるごとに家が少しずつ大きくなっていきましたが
ローンもなく、決して贅沢な暮らしではありませんでしたが
お金がなくて何かを断念したという思い出はありません。

そんな環境で育ったので、私はハングリー精神もなく
大学を卒業して会社に就職をしたときも、あまり何も考えていませんでした。
働くのは結婚までの腰掛のつもりだったし、
ましてや自分で事業をするなんて、全く考えていませんでした。

しかし結果として、結婚をしても子どもを産んでも
会社を辞めなかったのは、「どうしてもアカンと思うまでとりあえず
がんばってみよう」って思ったからです。

第二子を授かり会社を辞めることにして
専業主婦になろうって思ったときも
仕事に未練は全くありませんでした。

しかし、会社で11年も仕事をしていたので
仕事のない生活になじめず、
そんなとき『チーズはどこに消えた』という本を読み
「子どもも2人もいるし、主人がいつまでも元気で仕事ができるという
保障はどこにもない。何かあったときに子を養うのは自分しかいない」と
気づき、生まれて初めて主体的に仕事をしてお金を稼ぐことを
真剣に考えるようになりました。

この時点でもまだ自分で仕事をするとは思っていなかったけれども
子を育てながら会社員はキツイと感じていたので
ぼんやりと自分で何か仕事をしたい、と思い始めていました。

司法書士事務所にパート勤務で行ったことがきっかけで
社労士の資格を取ることにしました。
その後は会計事務所や労働基準監督署に勤務をして実務経験を積み
独立開業となるのですが・・

そもそも自分で仕事をしようって思っていなかったので
ビジネス書も読んでいなかったし、
セミナーなんて受けたこともなかったし
周りに起業している人もいませんでした。
もちろん経営者の知り合いなんて一人もいませんでした。

開業してから5年で、お客様が集まる仕組みをつくっていったり
人を雇ったり、家賃を支払ったり、
すべて自分で判断して決めていかなければならず
常に学びの連続でした。
(このあたりの経緯は拙著『稼げる社労士の集客術』にて)

一番学んだことはお金の使い方です。
サラリーマン家庭に育ち
自分もサラリーマンだったので、
給料日までさえ我慢をすれば一定額のお金が必ず入ってくる
という生活を長年していました。
そして、その手元に入ってくるお金で生活をするという
パターンだったのです。

ところが事業を始めるとお金は常に前払いです。
人に会うためには交通費がかかります。
請求書を作成するためにはプリンターもコピー用紙も必要なのです。

でもお金を使うことができないと、
お金を得ることはできません。
さらにお金では得ることができないものがあります。
例えば「信用」です。

「信用」を失わないために、お金を投資することで
一時的に手元のお金は減っても必ず将来的にまた
お金は返ってくると思います。

まだまだこのあたりの「金勘定力」が弱いので
事務所の規模も大きくできないままでいますが
この5年間で一番学んだことが「お金の使い方」ではなかったかなと
思っています。

商売をしていく中で何が一番大事か。
それはお客様からの信用です。
その軸をぶらすことなく、お金の使い方を考えていきたいと思います。

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