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人とのご縁を大事に仕事をしています。「今日もこんなええことありました」という気づきをみなさんと共有できればと思います。
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2011年12月08日(木)更新
厚生年金適用範囲の拡大について【私見】
厚生年金に加入するパート社員の範囲を拡大すべく
社会保障審議会で検討中とのこと。
パート労働者をたくさん雇い入れている
外食産業を含むサービス業の顧問先を多く抱える私は
制度改正に反対です。
現在は正社員の4分の3未満の勤務時間・勤務日数であれば
厚生年金には加入させなくてもよいことになっているので
企業は週30時間までの勤務でパート労働者を雇っています。
社会保険に加入をさせないのは、悪意でもなんでもなく
保険料負担が企業にとってとてつもなく大きなものだからです。
パート労働者も年収130万円未満で勤務をすれば
ご主人の健康保険の扶養家族になることができるので
年金保険料も健康保険料の負担もありません。
当然給料の手取りが増えます。
パート社員が厚生年金に加入すると、確かに老後の年金の受給額は増えます。
しかしご主人が先に亡くなり、遺族厚生年金を受給するようになると
遺族厚生年金+自分の老齢厚生年金を受給できるのではなく
(遺族厚生年金-自分の老齢厚生年金)+自分の老齢厚生年金を受給することになるので
金額ベースとしては遺族厚生年金だけ受給しているのと同じになります。
*旦那が先に死んだら主婦が働いた老齢厚生年金は無駄になるってこと!
さらに厚生年金は保険料を払うことで、老齢厚生年金を受給できたり
万が一障害になった場合は障害厚生年金を受給できるというメリットはあります。
(主婦が亡くなっても遺族が遺族厚生年金を受給できるケースは稀です)
では加入するときにセットになっている健康保険はどうでしょう。
健康保険について自分が被保険者になって得することは、
・病気で会社を長期間に渡って休んだときに所得補償を受けることができる(傷病手当金)
・出産のときに休んだ場合に所得補償を受けることができる(出産手当金)
の2点だけです。
病院を受診するときは、自分で保険料負担をしていても、扶養家族であっても同じ負担割合なので
ぶっちゃけ保険料負担がない方が得です。
*出産・傷病欠勤がなければ、健康保険は扶養家族でいる方が得!
パートの範囲を拡大するなら、そもそも社会保険に加入すべき事業所で加入していないところや
週30時間以上勤務しているのに加入していない従業員など
現行の法律の中で、未適用事業所・未加入者の適用加入促進を徹底すべきだと考えます。
どうしても保険料収入を増やしたいのであれば、現在国民年金第3号被保険者になっている
厚生年金加入者の被扶養配偶者がいる被保険者(妻を扶養している夫)から
奥さんの分の保険料を徴収すればいかがでしょうか。
国民年金第3号被保険者の保険料については、その配偶者が負担しているのではなく
厚生年金に加入しているすべての人が負担しているって、こっちの方がおかしくないですか??
自営業(国民年金第1号保険者)のご主人を持つ専業主婦は自分で国民年金保険料を支払っていますが
老齢基礎年金を受給するときは、保険料を払っていないサラリーマンの奥さんと同じ金額って
そこは不公平だと思います。
厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げになるに伴い
企業には定年延長の負担を背負わせ、
さらに70歳以上であっても一定額以上の報酬を受けている被保険者(主には中小企業の社長・会長)については
老齢厚生年金の支給調整がされていて、彼らは長年最高額の厚生年金保険料を負担しているにも
関わらず、年金の受給ができない状態になっています。
そんな中小企業の社長に、パートさんの社会保険の負担まで背負わせるとは!!
もし私が中小企業の経営者で週20時間勤務が厚生年金への加入ラインになると
法律が変更されたらこうします!
1.事業全体の見直し~人員を削減してスリム化。正社員のみでこなせる仕事にシフト
2.週30時間のパートは40時間勤務に引き上げ。社会保険料を負担しても育てたいくらい
能力と意欲がある人に限って雇用を継続する
3.パートの時間給については最低賃金と決める
4.外部の労働力の徹底利用。アウトソーシングや個人への業務委託
企業は人件費を全体で考えるので、この影響はパート社員にとどまらず
正社員の給料や賞与にも影響があるでしょう。
また、事業全体の見直しにより、パート社員の雇用だけではなく
正社員の雇用の継続も難しいというケースも考えられます。
パートが減ることで、正社員の負担が増え、過重労働への道に進むことにもなりかねません。
最後に年金保険料を払う人が増えるということは、将来年金を払わなければならない人が増えるということも
忘れてはなりません。
年金保険料って自分が将来もらうお金を積み立てているのではなく
今、年金をもらっている人のために自分は支払っているという仕組みになっています。
年金の支え手が将来減るからということで、適用範囲を拡大しようとしているのですが
それは受給者を将来増やすことになり、そのときにまた支え手が足りなくなるのは
目に見えています。
政府は各方面から専門家を集めて討論していると思いますが
生きていくのに必死の中小企業の現状にも目を向けてほしいです。
社会保障審議会で検討中とのこと。
パート労働者をたくさん雇い入れている
外食産業を含むサービス業の顧問先を多く抱える私は
制度改正に反対です。
現在は正社員の4分の3未満の勤務時間・勤務日数であれば
厚生年金には加入させなくてもよいことになっているので
企業は週30時間までの勤務でパート労働者を雇っています。
社会保険に加入をさせないのは、悪意でもなんでもなく
保険料負担が企業にとってとてつもなく大きなものだからです。
パート労働者も年収130万円未満で勤務をすれば
ご主人の健康保険の扶養家族になることができるので
年金保険料も健康保険料の負担もありません。
当然給料の手取りが増えます。
パート社員が厚生年金に加入すると、確かに老後の年金の受給額は増えます。
しかしご主人が先に亡くなり、遺族厚生年金を受給するようになると
遺族厚生年金+自分の老齢厚生年金を受給できるのではなく
(遺族厚生年金-自分の老齢厚生年金)+自分の老齢厚生年金を受給することになるので
金額ベースとしては遺族厚生年金だけ受給しているのと同じになります。
*旦那が先に死んだら主婦が働いた老齢厚生年金は無駄になるってこと!
さらに厚生年金は保険料を払うことで、老齢厚生年金を受給できたり
万が一障害になった場合は障害厚生年金を受給できるというメリットはあります。
(主婦が亡くなっても遺族が遺族厚生年金を受給できるケースは稀です)
では加入するときにセットになっている健康保険はどうでしょう。
健康保険について自分が被保険者になって得することは、
・病気で会社を長期間に渡って休んだときに所得補償を受けることができる(傷病手当金)
・出産のときに休んだ場合に所得補償を受けることができる(出産手当金)
の2点だけです。
病院を受診するときは、自分で保険料負担をしていても、扶養家族であっても同じ負担割合なので
ぶっちゃけ保険料負担がない方が得です。
*出産・傷病欠勤がなければ、健康保険は扶養家族でいる方が得!
パートの範囲を拡大するなら、そもそも社会保険に加入すべき事業所で加入していないところや
週30時間以上勤務しているのに加入していない従業員など
現行の法律の中で、未適用事業所・未加入者の適用加入促進を徹底すべきだと考えます。
どうしても保険料収入を増やしたいのであれば、現在国民年金第3号被保険者になっている
厚生年金加入者の被扶養配偶者がいる被保険者(妻を扶養している夫)から
奥さんの分の保険料を徴収すればいかがでしょうか。
国民年金第3号被保険者の保険料については、その配偶者が負担しているのではなく
厚生年金に加入しているすべての人が負担しているって、こっちの方がおかしくないですか??
自営業(国民年金第1号保険者)のご主人を持つ専業主婦は自分で国民年金保険料を支払っていますが
老齢基礎年金を受給するときは、保険料を払っていないサラリーマンの奥さんと同じ金額って
そこは不公平だと思います。
厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げになるに伴い
企業には定年延長の負担を背負わせ、
さらに70歳以上であっても一定額以上の報酬を受けている被保険者(主には中小企業の社長・会長)については
老齢厚生年金の支給調整がされていて、彼らは長年最高額の厚生年金保険料を負担しているにも
関わらず、年金の受給ができない状態になっています。
そんな中小企業の社長に、パートさんの社会保険の負担まで背負わせるとは!!
もし私が中小企業の経営者で週20時間勤務が厚生年金への加入ラインになると
法律が変更されたらこうします!
1.事業全体の見直し~人員を削減してスリム化。正社員のみでこなせる仕事にシフト
2.週30時間のパートは40時間勤務に引き上げ。社会保険料を負担しても育てたいくらい
能力と意欲がある人に限って雇用を継続する
3.パートの時間給については最低賃金と決める
4.外部の労働力の徹底利用。アウトソーシングや個人への業務委託
企業は人件費を全体で考えるので、この影響はパート社員にとどまらず
正社員の給料や賞与にも影響があるでしょう。
また、事業全体の見直しにより、パート社員の雇用だけではなく
正社員の雇用の継続も難しいというケースも考えられます。
パートが減ることで、正社員の負担が増え、過重労働への道に進むことにもなりかねません。
最後に年金保険料を払う人が増えるということは、将来年金を払わなければならない人が増えるということも
忘れてはなりません。
年金保険料って自分が将来もらうお金を積み立てているのではなく
今、年金をもらっている人のために自分は支払っているという仕組みになっています。
年金の支え手が将来減るからということで、適用範囲を拡大しようとしているのですが
それは受給者を将来増やすことになり、そのときにまた支え手が足りなくなるのは
目に見えています。
政府は各方面から専門家を集めて討論していると思いますが
生きていくのに必死の中小企業の現状にも目を向けてほしいです。
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