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2012年03月02日(金)更新

モンスターペアレンツとの戦い方

「従業員の親御さんから電話がかかってきて文句を言われるのですが
どう対応すればいいですか?」と相談されることが増えました。

事業縮小のため、泣く泣く退職勧奨を行い、従業員さんは納得してくれたのに
帰宅後、会社に奥さんから電話がかかってきたという話しも聞いたことがあります。

会社と雇用契約を結んでいるのは従業員本人です。
仕事をしてもらっているということは、大人であるはずなので
会社が話しをすべきなのは、従業員本人です。

「子どもの喧嘩に親が出る」ではないですが
本来、自分とは関係がない会社に対して電話をかけてくる親も親ですが、
怒鳴り込まれる方の会社も実は何らかの問題がある場合が多いのも事実です。

「金持ちけんかせず」という言葉があります。
この言葉は喧嘩を売られてもやりすごすという意味だけではなく
そもそも喧嘩にならないようにしておく、ということだと私は考えています。

多くの場合、「労働時間が長すぎる」という内容の電話がかかってくるようです。
親としては過労死を心配して電話をかけてきているのでしょう。

「うちの会社は営業時間が長いから仕方がない。文句があるなら辞めてもらう」では
根本的な問題解決にはなりません。

近頃は権利意識が強い人が増えているので、すべてがすべて会社に非があるわけではないでしょう。
しかし、感情的にならず一歩引いて、今後文句を誰にも言わせない体制をつくっていくことが
モンスターペアレンツと戦わなくても済む一番の方法だと考えています。

「戦い」は始めた時点で負けです。
いくら勝負で勝っても負けた人からの恨みを買うことになります。

本来会社と従業員は利害関係が一致しているはずです。
従業員は戦いの相手ではありません。

戦いが怒らない仕組みをぜひつくってくださいね!

■モンスターペアレンツからクレームの電話があった場合の具体的対応方法

1.先方の話を真摯に聞く(問題点の把握)
2.問題点について、直接従業員と話し合う旨を伝える
3.個別の問題対応だけではなく、会社全体としての仕組みの改善を考える
4.会社の対応について従業員から両親に伝えさせる




2011年12月21日(水)更新

【いよりなみの忘年会日記】職員さんとの昼忘年会

昨日は忘年会ダブルヘッダーでして
晩は先にUPしたブログに書いた京都での和食のコース。
昼はうちのスタッフとのフレンチのコースランチ忘年会でした。

忘年会をランチにしたのはスタッフの一人が主婦であること、
(あ・・・私も主婦だけど・笑)
あとは私自身の晩のスケジュールが空けられなかったからです。

ランチのお店はこちら。ラ・シームさん。
気になっていたけれども、普段行くには
少し勇気が要る価格帯のお店です。

今回は晩の忘年会の代わりだし、思い切って行ってみました。

まずはアミューズ・グージェール グリンピースのピューレと
クラックビトゥとスモークベーコン










スプーンに入った粉チーズのようなものは
粉末化したオリーブオイルでチーズのムースにまぜていただきます。
スモークベーコンは周りに小麦粉をつけて焼いているとのことで
パリパリの皮をまとってベーコンは今まで食べたことがないような香ばしさでした。


2品目の前菜はハムとパセリのゼリー寄せ。
見た目がめちゃめちゃ綺麗。
ゼリーはホンマにパセリの濃縮したお味でした。











3品目はスープ
レンズ豆のヴルーテ シャンピニニオンのグラス
お皿にあるのは甘くないアイスクリームで
そこに温かいレンズ豆のスープを注いでいただきます。
とっても不思議な食感でした。











そしてお魚料理
ウナギのグリル。
蒲焼きではないウナギを食べたのは初めてくらいの経験でしたが
皮がパリパリで身はもっちりしていて美味でした。











メインのお肉料理は
ブッフプルギニオン。
パスタの中に牛挽肉の赤ワイン煮込みが詰まっている
お料理でした。











デザートはカシスとフロマージュのムース。
カシスのソースがとっても美味しかったです。











予約をしておき12時に入店。
食べ終わったらもう14時前になっていました。
私たちもシャンパンをいただいたのですが
他のお客様も皆何か飲まれていたので
時間を気にせずにランチタイムを過ごせる方にお勧めのお店です。












スタッフの方がお店の外まで送ってくださいました。
今度は晩に行ってワインも楽しみたいです。
新保さん、よろしく!(笑)

2011年12月08日(木)更新

厚生年金適用範囲の拡大について【私見】

厚生年金に加入するパート社員の範囲を拡大すべく
社会保障審議会で検討中とのこと。

パート労働者をたくさん雇い入れている
外食産業を含むサービス業の顧問先を多く抱える私は
制度改正に反対です。

現在は正社員の4分の3未満の勤務時間・勤務日数であれば
厚生年金には加入させなくてもよいことになっているので
企業は週30時間までの勤務でパート労働者を雇っています。

社会保険に加入をさせないのは、悪意でもなんでもなく
保険料負担が企業にとってとてつもなく大きなものだからです。

パート労働者も年収130万円未満で勤務をすれば
ご主人の健康保険の扶養家族になることができるので
年金保険料も健康保険料の負担もありません。
当然給料の手取りが増えます。

パート社員が厚生年金に加入すると、確かに老後の年金の受給額は増えます。
しかしご主人が先に亡くなり、遺族厚生年金を受給するようになると
遺族厚生年金+自分の老齢厚生年金を受給できるのではなく
(遺族厚生年金-自分の老齢厚生年金)+自分の老齢厚生年金を受給することになるので
金額ベースとしては遺族厚生年金だけ受給しているのと同じになります。

*旦那が先に死んだら主婦が働いた老齢厚生年金は無駄になるってこと!

さらに厚生年金は保険料を払うことで、老齢厚生年金を受給できたり
万が一障害になった場合は障害厚生年金を受給できるというメリットはあります。
(主婦が亡くなっても遺族が遺族厚生年金を受給できるケースは稀です)

では加入するときにセットになっている健康保険はどうでしょう。

健康保険について自分が被保険者になって得することは、

・病気で会社を長期間に渡って休んだときに所得補償を受けることができる(傷病手当金)
・出産のときに休んだ場合に所得補償を受けることができる(出産手当金)

の2点だけです。

病院を受診するときは、自分で保険料負担をしていても、扶養家族であっても同じ負担割合なので
ぶっちゃけ保険料負担がない方が得です。

*出産・傷病欠勤がなければ、健康保険は扶養家族でいる方が得!

パートの範囲を拡大するなら、そもそも社会保険に加入すべき事業所で加入していないところや
週30時間以上勤務しているのに加入していない従業員など
現行の法律の中で、未適用事業所・未加入者の適用加入促進を徹底すべきだと考えます。

どうしても保険料収入を増やしたいのであれば、現在国民年金第3号被保険者になっている
厚生年金加入者の被扶養配偶者がいる被保険者(妻を扶養している夫)から
奥さんの分の保険料を徴収すればいかがでしょうか。

国民年金第3号被保険者の保険料については、その配偶者が負担しているのではなく
厚生年金に加入しているすべての人が負担しているって、こっちの方がおかしくないですか??

自営業(国民年金第1号保険者)のご主人を持つ専業主婦は自分で国民年金保険料を支払っていますが
老齢基礎年金を受給するときは、保険料を払っていないサラリーマンの奥さんと同じ金額って
そこは不公平だと思います。

厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げになるに伴い
企業には定年延長の負担を背負わせ、
さらに70歳以上であっても一定額以上の報酬を受けている被保険者(主には中小企業の社長・会長)については
老齢厚生年金の支給調整がされていて、彼らは長年最高額の厚生年金保険料を負担しているにも
関わらず、年金の受給ができない状態になっています。

そんな中小企業の社長に、パートさんの社会保険の負担まで背負わせるとは!!

もし私が中小企業の経営者で週20時間勤務が厚生年金への加入ラインになると
法律が変更されたらこうします!

1.事業全体の見直し~人員を削減してスリム化。正社員のみでこなせる仕事にシフト
2.週30時間のパートは40時間勤務に引き上げ。社会保険料を負担しても育てたいくらい
能力と意欲がある人に限って雇用を継続する
3.パートの時間給については最低賃金と決める
4.外部の労働力の徹底利用。アウトソーシングや個人への業務委託


企業は人件費を全体で考えるので、この影響はパート社員にとどまらず
正社員の給料や賞与にも影響があるでしょう。
また、事業全体の見直しにより、パート社員の雇用だけではなく
正社員の雇用の継続も難しいというケースも考えられます。

パートが減ることで、正社員の負担が増え、過重労働への道に進むことにもなりかねません。

最後に年金保険料を払う人が増えるということは、将来年金を払わなければならない人が増えるということも
忘れてはなりません。
年金保険料って自分が将来もらうお金を積み立てているのではなく
今、年金をもらっている人のために自分は支払っているという仕組みになっています。

年金の支え手が将来減るからということで、適用範囲を拡大しようとしているのですが
それは受給者を将来増やすことになり、そのときにまた支え手が足りなくなるのは
目に見えています。

政府は各方面から専門家を集めて討論していると思いますが
生きていくのに必死の中小企業の現状にも目を向けてほしいです。




2011年06月27日(月)更新

それでもなお、人を雇い続ける

昨年末に約2年間勤務してくれていた事務員さんが退職し
今年に入って事務員さんが既に3回転しました。
まだ6月なので平均耐用年数2か月です・・・
(実際はもっと短いです・・)

退職された理由は人それぞれなのですが
さすがの私も谷底に突き落とされたくらいに落ち込みました。
うちの場合、職員さん1名と、前職の会計事務所で一緒に仕事をしていた
最強のパートナーが臨時職員として1名で仕事をしています。

臨時職員の彼女は週1~2回の出勤なので、
事務員さんは、ほぼ私と1対1の勤務になるわけで
よっぽど私って一緒に居辛い人間なのかなぁとか・・・

普段、ほっといてもひとりでしゃべっている、というイメージかもしれませんが
事務所ではめちゃ寡黙です。
ある事務員さんには「機嫌が悪い」と表現されてしまったのですが
「機嫌が悪い」のではなく、限られた時間に、
仕事をやり遂げてしまわなければならないので、とりあえず必死なのです。

事務員さんにやってもらうこと、はあらかじめ決めているので
その作業さえやってもらえれば、自分だけ忙しくて、
事務員さんが手すきでも、私自身は全然気にならないのですが
(事務員さんにそれだけのスキルがまだ身についていなければ仕方がないので)
ポツンと取り残された事務員さんはそうは思っていなかったようです。

事務員さんが退職されるたびに心傷つくけれども
傷ついているだけでは得るものはないので
この痛みを次につなげるべく毎回プチ改善を試みております。

現在、採用面接の真っ只中なのですが、次の事務員さんが決まったら
思い切ってもうひとり採用をする予定です。
予算の関係でもうひとりはパートさんになりそうですが
職員さん同士で仕組みをつくって仕事をしてもらえるようにしようかと。

さらに、会計事務所のときに散々言われていた
「業務の標準化」がうちは全くできていなくて
「まかせられない」=「自分の頭の中でしかわかっていない」ということなので
この際、仕組みつくりを徹底して、さらに大きな事務所になっても耐えられるような
土台をつくっていきたいと思います。

元々自分ひとりで始めた仕事なので、またひとりに戻るのもいいかなぁと
考えたこともありましたが、仕事のクオリティも下がってしまうので
組織で対応して、私の手をできるだけ空けるようにしておこうと思います。

事務員さんの相次ぐ退職にくじけていた私を励ましてくれた本がこちら。

『柳井正の希望を持とう』
(朝日新書)












柳井さんもお父様の会社を継いだときに、社員が次々に退職していき
7人いた社員で残った人が一人だったらしいです。

(以下本文より)
一人でやるにあたって、私がまずやったことは、習慣のようになっていた日々の仕事を
自分なりに分析して「文章化」したことだ。(中略)そうやって整理して、自分の頭で理解し
少ない人数でもできるよう新しいルールをつくっていった。若い女性社員を一人採用したこともあり
彼女に説明するために仕事を「見える形」にしたのだ。


この本を読んでいて、くじけずにまたやってみようという気持ちになりました。
今、ちょうど自分一人の職人稼業から、組織への移行期だと思うのです。

起業して、軌道に載せるまでも大変でしたが、組織にしていくのも苦戦しております。
でもこれを乗り越えたら『稼げる社労士の集客術』の続編
『稼げる社労士の正しい組織のつくり方・職員の育て方』が書けると思うので
その日を夢見てがんばりたいと思います!



2011年06月22日(水)更新

懐の深い人は、辛い経験をくぐり抜けている

私は人に恵まれています。
特に顧問先のお客様から学ぶことがすごく多いです。

うちは今年に入ってからスタッフが安定せず
それに加えて執筆・講演などが続き
顧問先のお客様の仕事が
後回しになってしまったこともありました。

昨年秋から取り組んでいる
就業規則の改訂も終わっていないお客様もあります。

しかし責められることなく、逆に「事務員さんは落ち着きましたか?」
「またいい本を書かれて、本当にがんばりはりましたね」
「精力的に講演などをこないしていて、そのパワーに脱帽やわ」と
ご心配や励ましをいただく始末。

今日は、就業規則改訂をお待たせしている
お客様のところに訪問してきました。

労働保険料の支払額の確認や、算定基礎届の用紙をいただくなど
まずは事務の仕事をしてから、就業規則の最終確認に。

面談の相手は経営者のご親族の女性の方です。
事務をすべて取り仕切っておられます。
いつもどんな書類をお願いしても、迅速に対応してくださり
書類にもれはなく、必ず手書きの一筆が添えられています。

就業規則改訂の対応が遅くなったときに、お詫びのメールを入れると
逆に「本の執筆がんばってください。私も本ができるのを楽しみにしています」と
励ましてくださいました。

その言葉が表面的なものではなく、本当に心から応援してくださっている
(自社の仕事が遅くなっているのに)が伝わってきて、
私もそれに応えなければと現在一所懸命やっている次第です。

今日は就業規則の最終確認をしながら
女性同士なので、家族の話になりました。
私より10歳くらい年上の方なのですが
色々お話を聞いていると、ただ自分が好き勝手に人生を歩んできたわけではなく
家族との時間など、自分を押し殺して生活をしていた期間も長かったとのこと。

今は子どもさんも手が離れて、自分が好きに仕事ができるのが
楽しくて楽しくて仕方がないそうです。

普段のお心遣いに感謝の気持ちを伝えると
「私は自分が人にやってもらってうれしいと思ったことを
他の人にもするようにしているんです。それだけです。
自分がそうすることが楽しいので、見返りは求めないことにしてます」
とおっしゃいました。

私は家では好き勝手をやらせてもらっているので、自分を抑えるということはありませんが
職場では人を使う立場になって初めて、「自分を抑える」を学び中です。(現在進行形)

勤務しているときは、こんな性格なので、他人にどう思われようと気にせず、わが道を行ってました。
でも今は言うべきこと、言わないほうがいいことを、考えてから口にするようにしています。
言わないことで本意が伝わらないこともありますが、言ったところで結果が好転しないのであれば
あるべき結果になることだけを考えて、必要なことのみ伝えるようにしています。
(まだ未完成・現在進行形:ついつい余計なことまで言ってしまいます・汗)

今日、顧問先のお客様とお話をしていて、今は自分の気持ちをなかなかコントロールできなくて
苦しいけれども、常に意識をすることで自然にコントロールできるようになれば、
脱皮して、他人をもっと受け入れることができる懐の広い人間になれるのでは・・・と思いました。

その方とも話していたのですが、書類に手書きの一筆を添えること、も別に必須ではないので
楽をしようと思えばいくらでも手抜きはできる、でも人間、楽に流れると、他人に対して
不義理になってしまうことがある。
人と接するのならお互いに気持ちいい関係である方がいいですよね、という結論で
書類関係20分、就業規則20分、よもやま話は2時間半の対談を終えました。
顧問料をいただいてさらに学べるなんて、ホンマにええ仕事ですわ。

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