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2012年03月12日(月)更新

始末をつける大切さを船場の会社で学びました


私が24年前に新卒で入社をした会社は当時で創業100年を越える
大阪船場にある繊維商社でした。
婦人服地と手芸や雑貨用のコットンの生地を扱っていました。

入社したときは生地の反物を並べておく畳のスペースが
会社の売り場(ショールーム)にありましたので、
「商社」というより「問屋」というイメージでした。

その会社で11年間、私は初の女性総合職として仕事をさせてもらいました。
そこでは毎月商販会議というものがありました。
当月の売り上げの見通しと、予算に達していない場合は
次月以降何で売り上げを上げていくのかを商品部(仕入れ担当)と
販売部(販売担当)全員が一同に集まって話しをする場でした。

当時、商品部と販売部は責任分担があり、
商品部は商品開発、利益管理と在庫責任。
販売部は売り上げ、新規開拓、回収責任がありました。

繊維の会社でしたので商売はほとんど手形でした。
この回収責任を我々営業担当者は社長に徹底的に言われました。
手形管理と与信管理を、管理表に基づいてきちんと行うこと。
お得意先の締め日以降の帳合(売り上げを上げること)はできるだけ避けること。
(例えば20日締めの会社に21日に帳合をしたら、回収までの期日が長くなるため)
などなど。。

さらに営業担当には半年に1度の帳面合わせが義務づけられていました。
お客様の会社にうちの会社に対する買掛金の残高確認書を送って
うちの売掛金の残高との照会を行うのです。

帳面合わせをすることで、勝手に値引き処理をされていたり
お客様の担当者が仕入れを上げてくれていなかったりしていることを
発見して早期に交渉を行うことができます。

当時の社長が言われていた、「営業は回収してナンボ。さらに手形を落としてナンボや。
きちんと始末はつけてや」と言われたことが、
会社を辞めて13年経っても一番印象に残っていることばです。

回収をきちんとするためには、売り先を選ぶようになります。
支払いがきちんとしている会社は他の会社も売りに来るので
競争は熾烈になりますが、売るために頭も使うようになります。

支払いがきちんとしていない会社は、在庫管理もルーズな会社も多く
どんどん買ってくれますが、与信管理をきちんとしていないと
倒産にかかってしまうケースもあります。

「回収をきちんとしろ」と言われることで
商売をするお客様は選ばないといけないということも
学んだ気がします。

新卒で入社して学んだことって、自分の根っこになるもんなんですね。
昨日、息子が友達と冒険旅行に行っておりまして
私が立て替えてあげていた友達の分の切符代の回収が全額できていなくて
息子に、「最後の1円までピッチリ回収しておいで!」と叱ったことから
前の会社で散々社長に言われていた「始末をつけることの大切さ」を思い出した次第です。


2012年03月10日(土)更新

弁護士さんたちとの勉強会

昨日は毎月定例の若手弁護士さんたちとの勉強会でした。
1年前の金曜日、3月11日も勉強会の日でした。
その日、講師に指名されていたのは
山形に僻地赴任で行っていた弁護士さんでした。

山形空港からの大阪便が機材トラブルで飛ばなかったので
航空会社の負担でタクシーで仙台空港に向かっているときに
地震が発生しました。

しかしご本人もタクシーの運転手さんも、ラジオも聞いておらず
事態の重大さを把握していなくて
とにかく仙台空港に行って大阪に行かねば!という気持ちしかなく
戻るという選択は考えていなかったそうです。

渋滞の中、彼がメーリングリストに「地震があったようです。
信号機が止まっていますが、仙台空港に向かっています」と書き込んだのに対して
大阪メンバーが必死で止めました。
「仙台空港、すごいことになってるからそのまま引き返して!」

それで初めてラジオをつけて、そのままタクシーで10時間かけて
山形まで戻ったそうです。

昨日は、その後関西に戻ってきたその先生が講師でした。
あれから1年。皆がそのまま揃う状況がとってもありがたく
幸せなことだってしみじみ感じました。

勉強会の後は、40年くらい前(?)に新地のママだったという
70代のご高齢のママがひとりでやっているスナックへいきました。
ママさんは年末にご病気になって入院をされていました。

昨日は復帰祝いで、決して常連とは言えない私とかも
「元気になられてよかったですね」と声を掛けさせてもらったので
とってもうれしそうでした。

変わらずいつも同じ・・の幸せをここでも感じました。

帰りに終電を余裕で逃してしまい神戸までタクシーで帰ることになった
講師の弁護士さんが、「いやー 今日は本当に楽しかった」とおっしゃってました。
「飲む機会は多いけれども、こんなに腹の底から笑ったのは久しぶりだ」と。

弁護士さんたちの同期の仲間って特別なつながりがあるんですね。
私もそのお仲間に入れていただいていることがとってもありがたいです。

我々形のないサービスや知識を商売にしているので
どうせ一緒に仕事をするのなら気心が知れて
親身になってお客様の悩み事を聞いてくれる人がいい、ということになります。
この会の弁護士さんにもいつも助けてもらっています。

変わらずいつもいる仲間、ありがたいことです。

2012年03月09日(金)更新

息子のランドセル姿もカウントダウンに入りました

3月9日金曜日 大阪は雨です。
昨日、息子の部屋に入ると、
卒業式の答辞で話す言葉の役割分担表が机の上に置いてありました。
(みんなで文章をワンフレーズずつ読み上げるパターンです)

彼の6年間の小学校生活もあと1週間足らずで終わります。
息子のランドセル姿を見れるのもあと数日なんですよねー。

3歳年上の姉がランドセルを買ってもらったとき
すごくうらやましそうで、でも姉にはさわらせてもらえなくて
「僕もランドセルを買ってほしい」って言ってた息子。

しかし、ごめんね、母はあなたの入学式のときのことを
あまり覚えていません。
ちょうど会計事務所を退職して独立する時期と重なっていて
しかも友人と立ち上げたコンサル会社の仕事もあって
その時期の家族の記憶がないのです。

ともあれ、彼は1年生のときから母親譲りの社交力を最大限に発揮して
どんどん友達をつくっていきました。
自分で放課後のアポイントをどんどん取って
留守家庭にもすぐに行かなくなりました。

今では我が家は6年生男子のたまり場になっていて
先日もお客様のところから直帰して早めに帰宅したら
狭い部屋に何人も男の子がたまっていて
お土産に買って帰ったタコ焼きが瞬殺でなくなって
彼らが帰ったあと、タコ焼きの匂いと男子臭に耐えきれず
窓を全開にして空気を入れ換えたこともあります(笑)

朝も友達がたくさん誘いにきてくれて
ランドセルを背負っておそろいの制帽をかぶった男子軍団が
正門が開くのを待っている景色ももう見れなくなってしまうんですね。

これから中学生になり「オカン」とか「オバハン」とか言われるのかと
ドキドキしておりますが、今のまま素直に育ってほしいです。

自宅で小説を読んでいて、その展開にビックリして
「えっーーーー!」と突然大声で叫んでしまう母にも
「どうしたん?大丈夫?」って声をかけてくれるやさしい息子のままでいてほしいな。



2012年03月08日(木)更新

1年ぶりに執筆中です

現在1年ぶりに単行本の執筆中です。
昨年3月に4冊目の著書となる
『小さな会社の正しい給料の下げ方・人件費の減らし方』
上梓させていただきました。


















少し執筆は休憩していたのですが
また書き始めております。

本を書くのが好きなんですね、とよく言われます。
はい、本を書くのが好きなんです。

どこが好きかというと、自分の持つノウハウが
世間の人に役に立つという実感を得ることができるからです。

本を書かせてもらうということは
世の中に解決すべき問題があり
その問題に対して私がその本の想定読者に
提示できる解決方法があることを意味します。

「解決すべき問題」に対して「そやねん、それに困っててん」と思っていただき
「私が提示する解決方法」に対して「なるほどな!その方法があったのか!」と
思っていただけるような企画で初めて本にしていただけるのかなと思っています。
(本もビジネスなので他にもたくさん要因があると思いますが)

想定読者のことをいつも念頭に置いて
その人の抱える問題をひとつづつ解決していくつもりで
筆を進めたいと思います。



2012年03月07日(水)更新

コツコツの積み重ねが大事

もうすぐ東日本大震災から1年になります。
新聞やテレビでは様々な特集が組まれています。

3月6日の朝日新聞に掲載されていた
津波で両親を失った釜石の女子高生のオピニオンの記事に
とっても感銘を受けたのでご紹介しますね。

彼女が震災を通じて実感したのは日頃の積み重ねの大切さだそうです。
両親を亡くしても、親戚の人や周囲の人がよくしてくれるのは
生前に両親がそれらの人たちといいつきあいをしてくれたから。
彼女自身が志望校に無事進学ができたのも、日々コツコツと
勉強をしてきたから。
これからも大事なのは今後新しくどんどん積み重ねていくこと。

私は社会保険労務士として日々中小企業の経営者の方から
人に関する相談を受けています。

会社を守るために、社員に退職してもらったり
給料を下げたり、賞与をカットしたり。
時には非情な決断をしなければならないこともあります。

同じことをしていても社員とトラブルになる会社とならない会社があります。
もっと言えば、トラブルになる会社は非情な決断をしていなくても
トラブルが発生します。

その違いって何なのか、ずっと考えてきました。
たまたまトラブルメーカーの社員を雇ってしまったのかもしれません。

しかし、日頃からの社員との信頼関係があるかないかが大きな鍵ではないかと考えています。
すなわち「この社長に言われたら仕方ないな。今まで世話になってるし」と思ってもらえるか
どうかなんじゃないでしょうか。

その信頼関係はすぐにはできず、この女子高生が言ってるように
日々の積み重ねなんですよね。

最近、就業規則の改定の相談をお客様をしているときに、よく言う言葉があります。
「会社の品格」という言葉です。

「就業規則で会社を守るべし」というフレーズに踊らされて
ここまでやらなくてもよいのでは・・・というようなリクエストを受けることがあります。
万が一、トラブルメーカーの社員に対抗しなければならなくなったときのために、という
気持ちはよくわかりますし、私もそういった言い方をよくします。

しかし、今まで会社を支えてくれた社員の大半は「万が一」の社員ではないはず。
その社員が、またこれから意気揚々と入社してくる社員が、
会社の都合だけを考えた規定を見たときにどう感じるでしょう。
会社の品位が疑われるようなことはやるべきではないのです。

社員との信頼関係の構築は日々の積み重ねでしかありません。
表面だけならしてもダメなのです。
今、こつこつ積み重ねていることが、自分のためだけではなく
次の世代のためにもなると考えてみませんか。

私自身も、この女子高生のご両親のように亡くなってからも、子どもたちに
「両親の積み重ねのおかげで今の自分がある」と思ってもらえるよう
毎日、徳を積んでいきたいです。

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