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2012年03月07日(水)更新

コツコツの積み重ねが大事

もうすぐ東日本大震災から1年になります。
新聞やテレビでは様々な特集が組まれています。

3月6日の朝日新聞に掲載されていた
津波で両親を失った釜石の女子高生のオピニオンの記事に
とっても感銘を受けたのでご紹介しますね。

彼女が震災を通じて実感したのは日頃の積み重ねの大切さだそうです。
両親を亡くしても、親戚の人や周囲の人がよくしてくれるのは
生前に両親がそれらの人たちといいつきあいをしてくれたから。
彼女自身が志望校に無事進学ができたのも、日々コツコツと
勉強をしてきたから。
これからも大事なのは今後新しくどんどん積み重ねていくこと。

私は社会保険労務士として日々中小企業の経営者の方から
人に関する相談を受けています。

会社を守るために、社員に退職してもらったり
給料を下げたり、賞与をカットしたり。
時には非情な決断をしなければならないこともあります。

同じことをしていても社員とトラブルになる会社とならない会社があります。
もっと言えば、トラブルになる会社は非情な決断をしていなくても
トラブルが発生します。

その違いって何なのか、ずっと考えてきました。
たまたまトラブルメーカーの社員を雇ってしまったのかもしれません。

しかし、日頃からの社員との信頼関係があるかないかが大きな鍵ではないかと考えています。
すなわち「この社長に言われたら仕方ないな。今まで世話になってるし」と思ってもらえるか
どうかなんじゃないでしょうか。

その信頼関係はすぐにはできず、この女子高生が言ってるように
日々の積み重ねなんですよね。

最近、就業規則の改定の相談をお客様をしているときに、よく言う言葉があります。
「会社の品格」という言葉です。

「就業規則で会社を守るべし」というフレーズに踊らされて
ここまでやらなくてもよいのでは・・・というようなリクエストを受けることがあります。
万が一、トラブルメーカーの社員に対抗しなければならなくなったときのために、という
気持ちはよくわかりますし、私もそういった言い方をよくします。

しかし、今まで会社を支えてくれた社員の大半は「万が一」の社員ではないはず。
その社員が、またこれから意気揚々と入社してくる社員が、
会社の都合だけを考えた規定を見たときにどう感じるでしょう。
会社の品位が疑われるようなことはやるべきではないのです。

社員との信頼関係の構築は日々の積み重ねでしかありません。
表面だけならしてもダメなのです。
今、こつこつ積み重ねていることが、自分のためだけではなく
次の世代のためにもなると考えてみませんか。

私自身も、この女子高生のご両親のように亡くなってからも、子どもたちに
「両親の積み重ねのおかげで今の自分がある」と思ってもらえるよう
毎日、徳を積んでいきたいです。

2012年01月01日(日)更新

新年あけましておめでとうございます

みなさま、新年あけましておめでとうございます。
我が家は喪中ゆえ、おせち料理も初詣もない
お正月を迎えております。

娘と元旦から営業しているデパートに行き福袋を買って
カフェでモーニングのパンを食べながら
「おばあちゃん(義母)がいないと
クリスマスもお正月も盛り上がらないねー」なんて
話をしておりました。

さて、仕事の方は新春5日より営業いたします。
昨年は事務所を移転したり、スタッフの拡充を図ったり
ホームページをリニューアルしたり、しっかり仕事をしていくための
土台つくりをしましたので、今年は、その土台の上で
粛々と自分ができることを一所懸命やっていきたいと思っています。

事業の大幅な拡大は考えていないので
今のお客様と、ご縁あってご紹介で来てくださるお客様、
そして執筆、講演と私の目が届く範囲の仕事をやっていく所存です。

私の今年のテーマは「素」です。
「素直」にありのままの自分(「素材」)をより高めるべく
精進したいと考えています。

今までにも増して本を読んで、ブログでどんどんご紹介もしていきます。
(事務所のホームページ内のブログを利用する予定です)

お客様に元気を届けるためには自分自身の体調管理が大事だと思うので
今年から走ることにしました。

出会った方やお世話になった方に手書きのメッセージを気持ちよく届けられるよう
字を習うことにしました。

人とのお付き合いについては、広げることよりも
今、お付き合いがある人とのつながりを深めるようにしたいと思っています。

そして、執筆については今年は2冊もしくは3冊本を書きたいです。
広く世の中の人に喜んでもらえることで自分ができることのひとつが
執筆だと思うので。



今年もいいことがたくさんありそうでワクワクしています。
今年も1年、どうぞよろしくお願いします。



2011年07月05日(火)更新

事務所を移転することにしました

自宅を事務所にして社会保険労務士として開業したのは今から5年前。
平成18年4月のことでした。

開業当時は顧問先が1社しかなく、とても事務所なんて借りられる状況ではなかったのですが
その後徐々にお客様が増えて、平成20年1月に念願の事務所を大阪市内のど真ん中
淀屋橋に借りることができました。









それから3年半が経ちました。
事務所は新築で入ったので今も綺麗で快適なのですが
スタッフを増やそうと考えると少し手狭なのと
マンションなので、「事務所」というより「自分の仕事部屋」の
ような感じがありました。

何度もブログにも書いてますように今年に入って
スタッフの入れ替わりがバタバタとあり
色々考えました。

一時は仕事の規模を縮小して自分でできる範囲だけで
仕事を受けようかとも考えました。

でも自分だけというのは、お客様に不安を与えてしまいますし
現状をみたときに一人では絶対無理な規模になっているので
今後はスタッフを増やして、どんどん仕事を取っていくことにしました。

今の事務所だと机を増やすのが難しいのと
鍵が2つしかないので、それもややこしいので
思い切って心機一転事務所を移転することにしました。

先週の金曜日、いつも通る道で気になるビルがあったので
思い切って中を覗いてみました。
そしたらこんな感じ!
























長屋のような感じですごく温かい感じがして
一目で気に入りインターネットで調べて
管理会社に問い合わせをしてみました。

週明けに電話があり、空いている部屋を見せていただくことになりました。
でも空いている部屋は少し手狭だったので迷っていました。

今日、ちょうど新しいスタッフさんも来ていて、パートスタッフさんもみんないたので
ランチの帰りに立ち寄ったところ、ちょうど10坪の部屋が空いたということで
みんなで部屋を見にいきました。
天井が高くて日当たりがよくて、みんな一目で気に入りました。

といういきさつで今日仮契約をして、今の事務所の退去が8月末になるので
9月1日スタートで新しい事務所で仕事をすることになりそうです。

さらに今日、税理士さんにも来ていただいて色々相談をして
9月1日付でコンサルティング会社も設立することにしました。

現在のマンションでは法人の登記はできなかったのですが
新しい事務所の方では法人登記もOKだからです。
これで私も社長です!(但し当面こちらは従業員ゼロ)

経営者会報ブログをお読みいただいている経営者のみなさん、
ぜひぜひ新いより事務所にお仕事をください!(笑)
税理士さんに相談をしたところ、さらにもうひとりスタッフを増やすためには
ちょっと売上げが足らないようですので。。。
(当面は新スタッフ(正社員)+臨時スタッフ(パートさん)との3名体制です;全員社労士有資格者)

新事務所は机を4つ置く予定です。
ボチボチ人も育てつつ、がんばっていきたいと思います。
これからも引き続きご支援をよろしくお願いします!

ちなみに新しい事務所はこちらのビルの一室です。
船場ビルディング
登録有形文化財に指定されており大正末期に建てられた建物です。

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ!
(今の事務所から徒歩2分の距離です)






2011年05月29日(日)更新

自分の時間単価を上げることを意識してみよう

先日、社員の命を守るためにも、過重労働は絶対にダメだというブログを書きました。
これは常日頃から、顧問先の御客様にも申し上げていることです。

それに対して、「『手取りを多くしたいので、残業をさせてくれ』と社員から言われるのです」と
おっしゃる経営者も中にはおられます。

労働時間を長くすることでしか、自分の手取り額が増えないと
考えている人がいれば、考え方を変えるべきです。

すなわち、労働時間を増やさないと手取りが増えない、ではなく
自分の時間単価自体を上げる方法を考えるようにするのです。

しかし、高く飛ぶためには一旦しゃがんだり、助走が必要なように、
自分の労働単価を上げる=ステージを変えるためには
自分の時間やお金を投資してでも、ステージを上がるための
力を身につけるべきです。

雇われている人は、自分に対する<投資>というマインドが
欠けている人が多いように感じます。
勉強のための本は会社が買ってくれるもの、研修は会社の費用で行かされるもの、と
考えていては自分自身の力にはなりません。

人間、最後は自分の力で生きていかなければなりません。
どんな大きな会社であっても何が起こるかわからない世の中です。
会社に頼ったり、会社のせいにするのではなく
自分の面倒は自分で見るつもりで成長させなければ
いつまでたっても、労働時間でお金を稼ぐ仕事しかできないのでは
ないでしょうか。

私は12年前、第二子出産のため
11年間勤務していた会社を退職しました。
当時の月給は32万円くらい。
賞与を入れて年収450万円程度だったと思います。

しかし出産後に勤務をした司法書士事務所では
時間給750円のパートタイマーでした。
9時から16時まで毎日仕事をしても月給は8万円か9万円。
前年の所得で計算される子どもの保育料が月額6万円くらいでしたので
ほとんど手元には残らない状態が1年続きました。

それでも、その条件で仕事を続けたのは、小さな子どもを二人抱えているという
ハンデがあることを認識していたので、無理して正社員で仕事をするのではなく
その期間については、お金ではなく、キャリアをつなぐことさえできればよい
と考えていたからです。

すなわち、子どもたちがもう少し大きくなり
本格的に社会復帰をする際に、履歴書の職歴に<無職>の空白期間を
つくりたくないことが第一の目的だったのです。

結果として、司法書士事務所での勤務がきっかけで
社労士資格取得をめざすことになるのですが
ここでも費用をかけずに時間を使って勉強するよりも
自分の年齢(当時35歳でした)を考え
お金を使って合格までの時間を短縮することを考えました。

資格学校に通って勉強をすることにしたのです。
資格学校の費用は全部で50万円くらいかかりました。
(うち25万円は教育訓練給付金で還付をもらいました)

その費用は最初の仕事を辞めたときの
失業給付と再就職手当でまかないました。
半年の勉強で1度の受験で合格したのは
これ以上お金をかけることはできない、
という必死さがあったからだと考えています。

社労士の受験が終わってから勤務をした
会計事務所でもスタートの時間給は900円でした。

この事務所では、仕事ができるようになるにしたがって
自分で交渉をして給料を上げてもらったり、
パートでしたが賞与での評価をしてくださったので
司法書士事務所時代よりも年収は上がりましたが
それでも正社員のときの半分くらいでした。

会計事務所の時代も目的はお金ではなく
社労士としての実務経験を積むためでしたので
必死で仕事をしました。

給料に関係なく、一所懸命仕事をしていると
それは他のスタッフにも御客様にも伝わりますので
どんどん仕事をまかせてもらえるようになります。

その結果、自分が目的としていた
実務経験を積むことができ
退職してからも、仕事を紹介してもらえたのは
勤務時代の仕事ぶりを見てくださっていたからだと思います。

仕事をしていく中で、「負けない」「損をしない」を考えることも大事ですが
逆に「これだけを得ることができれば、他は目をつぶる」があっても
よいのではないでしょうか。

損をしない生き方をしたいのであれば、雇用が保障されていて
給料も緩やかではありますが右肩あがりの公務員になればよいと思います。

私の場合は、「キャリアをつなぐ」そして「社労士としての経験を積む」を
第一に考えていました。
これだけ仕事をして1時間900円しかもらえない自分が情けなくも思いましたが
それが逆に将来はもっと稼いで取り替えそうという気持ちにつながったのだと思います。

今は単発の御相談を受けるときは、90分以内で3万円という相談費用を設定しています。
経費等もかかっていますし、ずっと単発相談が詰まっているわけではないので
単純比較はできませんが、この仕事だけを考えると時間単価は2万円ということになります。

自分の時間単価を上げるために力をつける社員を会社は手放さないでしょうし
自分の器と会社の器が合わなくなれば、さらにステップアップを目指して
転職をすればよいのです。

「自分の給料は自分で上げる」
この意識を持った社員こそが経営者が望む人材だと考えます。
労働時間ではなく、時間単価を上げるために何をすればよいのか
経営者だけではなく、働く人が自ら考えることができる組織が
本当に強い会社だと言えるのではないでしょうか。

2011年05月16日(月)更新

7割でOKとする生き方

「仕事と家庭との両立って大変でしょ」とよく言われます。
自分的には両立ができているなんて思っていなくて
仕事は100%以上の力で必死でやってますが
家事とかその他地域での仕事などは出力40%以下です。

でもこの出力40%でいいや、と思える自分になるまで随分時間がかかりました。
人間、普通に生きていれば当然何でも100%を目指すと思います。
少なくとも私は何事も100%を越えたいと常に思って生きてきました。

子どもの頃は100点満点を取ることを目標にテストに挑んでいましたし
実際「神童」と呼ばれたこともあったので(自分の祖父母からですが・笑)
小学校の頃は100点をとって当たり前という学校生活を送っておりました。

そんな私が100点を目指さなくなったというか
100点でなくてもいいんだ、って気持ちを切り替えるきっかけになったのは
社労士試験でした。

8月末に実施される試験を、当年の2月上旬に受験することを決めて資格学校に入学しました。
法学部出身でもありませんし、法律の勉強をするのは初めてでした。
また仕事は営業をやっていたので、試験範囲の内容は全く知らないことばかりでした。
社労士試験は国家試験で、合格率は8%くらいでした。

2月から毎週週末は学校に通い、とにかく毎日4時間くらい勉強をしました。
以前勤務していた会社にアルバイトで行っていたので往復の電車の中と
朝30分早く行ってコーヒーショップで過去問を解いてから行くのを日課としていました。

必死で勉強をしたけれども直前の7月の模試でも合格点に達しませんでした。
そんなときに勉強仲間の、司法書士試験の受験生が教えてくれたことがあります。

「合格するために70点以上取らなければならないのであれば
100点を目指すのではなく、7割の問題を落とさないようにすればいいんやで。
100点を取ろうと思うから問題の中の難問に足をとられて簡単な問題まで落としてしまうんや」

このアドバイスがなければ実務も未経験、英文学科出身の私がたった半年の勉強で
一発合格することはなかったと思います。

その試験以降、必要最小限だけやればOKという気持ちになれる自分が生まれました。
やらなければならないことの中で絶対に落とせない7割を見極めて、それを完璧にするのです。

子どもが小さいときなど、時間を仕事に取れないときは、仕事のサイズを小さくして
小さい中で完璧をめざすことにしました。
私がパートタイム勤務で仕事をしていたのはその理由です。

子どもというのはどんどん大きくなります。
子どもが大きくなるに連れて仕事と家庭の時間のバランスを変えていけばよいのです。

今も本当はもっと仕事を取ることができます。
実は今年に入ってからもご紹介を何件かお断りしました。
それは自分ができる枠以上の仕事を取ってしまうと
完全な仕事ができないからです。

でも欲を張らずにそれでもいいや、と自分を納得させつつ
家族との時間とのバランスをとって、100点でなくても自分を許すことが
両立のポイントだと思います。

家族が一番望んでいるのは「いつも機嫌がよいおかあさん」がいることだと思うので。
ホンマのホンマはもっともっと仕事をしたい、、、けど仕事だけできても
誰も周りにいないと、何のために仕事をしているのかわからなくなるので
家族が泣かないギリギリのところを見極めて、その線で仕事をしていきたいと思います。
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