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2012年10月11日(木)更新

三元ラセン管工業株式会社さんへの取材

大阪府総合労働事務所がこのたび、中小企業労働環境改善の好事例集を作成することになり
取材業務および記事作成業務を受託し、三元ラセン管工業株式会社さんに取材に行ってきました。




高嶋社長がいつもの笑顔で、迎えてくださいました。
いつもと違うことは「戦闘服」をお召しになっていたことです。
初めてでした!

高嶋社長の会社は、労働環境改善のための様々な取り組みをされているのですが
お話をお聴きして感じたことは、取り組みをしているという意識がなく
すべて「当たり前」のこととしてされているということです。

今回は様々な取り組みの中でも、今、ホットな話題である
高齢者の雇用について、お話をお聴きしました。

三元ラセン管工業さんは、60歳が定年ですが、現在60歳を越えても
お仕事をされている方が3名。
うち65歳~70歳が1名。70歳以上が1名です。

体力に合わせて、労働時間や労働日数の調整をしつつ
基本的には、従業員さんがもう辞めます、とおっしゃるまでは
続けていただいているそうです。

最高齢の71歳で、大阪市のテクノマスターでもある兼綱さんにもお話をお聴きしました。
定年を超えて仕事ができるメリットは、現役のときよりも視野が広くなったことと
おっしゃっていました。

60歳までは、自分のことでせいいっぱい。
自分の技術向上のために、自分の前にある道しか見えていなかったけれども
60歳で一旦定年となったことで、後継者の育成も含め、一歩引いて
物事を見ることができるようになったので、会社全体のことを考えて
もっとよい方法はないか、という風に物事を考えられるようになったとのことでした。

お話を聞いて、自分の子育てのことを思い出しました。
一人目のときはがむしゃらで何もわからないまま一所懸命。
でも二人目のときは一人目のときの経験を活かして楽に子育てをすることができました。
「やらなくてもよいこと」「やった方がいいこと」が見えていたので気分的にも楽でした。

兼綱さんがおっしゃっていたことも同じようなことなのかなって思いました。
「この領域に達したのは、定年後も仕事を続けたからであって、定年で辞めていたら
気付かなかった」とおっしゃっていましたので。

三元ラセン管工業株式会社さんの平均勤続年数は18年くらい。
辞める社員さんは、ほとんどいないそうです。
安心して仕事ができる環境だからこそ、より技術を磨こうという意識が
社員さんにも芽生えます。

技術の伝承が企業の強みとなっているなと改めて感じました。
社員さんが社長を信頼し、感謝の気持ちを持ち、
社長も社員さんを信頼し、感謝の気持ちを持つ。
双方向の思いが会社を強くしているのですね。

高嶋社長、お忙しい中お時間をいただきましてありがとうございました!


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