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2010年11月24日(水)更新

【明大生との一問百答】起業当初に大変だったこと

〈質問〉----------------------------------------------------

 起業した(経営者になった)当初、大変だったこと、
 苦労したことはありますか?

       (明治大学商学部 稲田左右吉さん)

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私が社会保険労務士として独立開業したのは
平成18年4月のことでした。
経営者会報ブロガーの中では一番新米経営者で
かつ一番小さなビジネスをしていると思います。
ご参考になるかどうかわかりませんがお伝えしますね。

ま・・詳しくはこちらをお読みいただければ
月商5万円から今までの経緯をわかっていただけると思います。

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ま、それはさておき、開業当初、一番困ったのは、
「仕事がないこと」ですかね。
勤務をしていたときは、「仕事がない」という状態は
全くありませんでした。
どちらかというとずっと追われている感じで、
「仕事=やってもやっても終わらない」というイメージだったのですが
自分で開業するって、「仕事自体を自分で取ってこなければならない」って
ことに気付いたときは、結構大きな衝撃を受けました。

例えはあまりよくないかもしれませんが
多分、動物園で育った動物がいきなり野生に戻されたときって
同じような衝撃を受けるんじゃないかなぁ。
「餌は自分でとってこないとないんやで」みたいな・・(笑)

仕事がないということは、社会とのつながりも断絶されるということです。
「仕事がなければ外に出て営業に行けばいいやん」って感じなんですが
移動にお金がかかる、ということに気付いたときも衝撃でした。

会社員のときは、移動経費は旅費精算で会社からもらえたので。
もちろん通勤定期もないですし(開業当初は自宅を事務所にしていました)
移動のたびにお金が減っていきました。

またクリップやコピー用紙などの備品も「自分で買わなければない」のです。

さらに!会社にいたときは当たり前に入ってきた「情報」も
自分で取りに行かなければ入手できなくなりました。
会社だとお客様と話したり、同僚や上司と普通に情報交換ができますが
仕事もない、仕事のパートナーもない、出て行くにもお金がない、となると
情報難民にもなってしまうのです。

しかし!収入がこれだけしかないからこれだけしか動けない、というのは
実はサラリーマンの考え方なんですよね。
経営者であれば、「投資」のマインドが必要です。

これだけ稼ぐための準備として、先にこれだけお金を使うと決めて
先に投資をすることが大事かと。
(但しお金は大事なので慎重に!が鉄則です。お金も貯めておく必要があります)

私の場合は、本にも書きましたが、ホームページをお金をかけて整備をして
「紹介」を得やすくする仕組みをつくったり、自分の専門力を高めるために
高額セミナーにも通い、知識とワンランク上の人脈をゲットしたりしました。

自分で仕事を始めるということは、自分で自転車を漕がないと
前に進まないんですよね。
しかも自転車の空気を入れたり、ブレーキの調整をしたり
オイルを注したり、すべて自分で判断してやらなければなりません。
でもどこに向かって漕ぐのか、いつまでに目的地に着きたいのかなどを
前を向いて漕いでいたら、応援してくれる人も出てきますし
なんとかなるものです。

自転車も漕ぎ出す最初が重いですよね。
簡単には動かないけどやってみてください。

お金と人脈、あと自分の心を荒らさないこと、自分を元気づけるのは
自分しかありません。がんばって!

2010年11月24日(水)更新

経営者にもお薦め!『そうか、君は課長になったのか。』

そうか、君は課長になったのか。
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『そうか、君は課長になったのか。』(佐々木常夫著:WAVE出版)を読みました。
実はずっと机の上の積読チームに入っていました。

本屋さんでもよく見かけるし、「売れている本」という認識はありましたが、
「課長」というキーワードに私は心を動かされなかったし、
大企業に働く初級管理職向けの本だと思っていました。

でも読んでみて、私のような小さな組織の経営者、
そして、視点を変えて、部下に権限委譲をしようとしている
中小企業の経営者にぜひ読んでもらいたい本だと感じました。

実は私は、会社で管理職になった経験がありません。
しかし、今は人を雇っています。
当初はアシスタントという位置づけで雇入れていましたが
来年に向けて組織の拡大も考えています。

そのときに自分がやらなければならないことの答えが
この本にありました。

現場の仕事(具体的業務)を卒業してマネジメントを行う

ということです。

この本のシチュエーションと私との大きな違いは
「課長」は自分のお金で仕事をしているわけではなく
私は自分のお金で仕事をしているということです。

また、うちの組織は、大きなものではないし、
最終責任を自分が取らなければならない、と
いうところは違いますが、小さな組織のリーダーとして
やらなければならないことは非常に参考になりました。

○「こんなことは言わなくてもわかるだろう」と思って
細かい指図をしなかった結果、職員さんに伝わらなかったことが
何度もあります。


○他人に教えてやるよりも、自分でやるほうが早い、ということで
自分だけが夜中も休日も仕事をして、経営者だから仕方がない、
なんて思っていましたが、それが果たしてお客様に対して
迅速なサービスが提供できているのかというとそうではない。


○プレーヤーとしての自分の先にマネジメントができる自分がいるのではなく
マネジメントは別の仕事だという認識が必要である。


今、私のお客様の会社でも、社員自身が考えて動くことができる
組織をつくろうとされている会社が多くあります。

社員数が20名までの会社であれば、ほぼ社長のトップダウンで
課長も部長もありません。
しかしそれでは社員がいつまでも自分で考えて動くことができないので
あえて組織図をつくって権限委譲をしていこう、という取り組みをされています。

小さな会社の経営者は二代目さんが多くて
ご自身は中間管理職の経験がない方もたくさんおられます。
そういった経営者から、組織つくりのときに小さな組織のリーダーとなる人へ
その心構えとしてこの本を渡してもらいたいと思います。

社内の政治力の話であるとか、大企業独特のルールも含まれていますが
大企業だけではなく、中小企業の組織つくりの際や
私のように、いきなり人を使う立場になった初級経営者にもお薦めです。

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