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2010年09月23日(木)更新

『売れ続ける理由』

売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法
売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法
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『売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法』を
読みました。

著者は仙台市から車で30分、山奥に入った
人口4700人の小さな町で80坪ほどの食品スーパーを
経営されている、さいち代表取締役 佐藤啓二氏。

先日カンブリア宮殿でも紹介されていました。

本のいいところって、たった1500円くらいで
その分野の第一人者の経験から得た知恵を学べることだと思うんです。

この本は単なるノウハウ本ではありません。
汗をかいて、資金繰りにも走り回ってやっと得たものというのは
人の心を動かしますし、重みがあります。

この本を読んで、「読んでよかった!人に伝えたい」って
強く思いました。
少し内容をご紹介しますね。

佐藤社長が経営されている「主婦の店・さいち」は
チラシを一切打っていません。
安売り競争に巻き込まれることなく、お客様を集めています。

その秘密はお惣菜。
さいちではお惣菜の売上げが全体の半分を占めています。
この割合は他のスーパーではありえないそうです。

さいちでしか味わえない、「昔ながらの家庭の味」を求めて
お客様が絶えないのです。

中でもおはぎは、人口4700人の町で
平日は1日5000個、土日は1日1万個を売り上げる
人気商品。

おはぎを含むお惣菜は社長の奥様である専務が
何度も何度も試行錯誤を重ねて、つくりあげたもの。
マニュアルやレシピはなく、社員に教えこんで
その味を伝承しています。

社員に教えることは、惣菜のつくり方ではなく惣菜をつくる姿勢。
惣菜の「惣」は心が入ったもの。
お客様のことを思い、お客様が喜ぶ顔を思い浮かべながら
惣菜をつくってもらう社員を育てることを一番に考える。
その思いを伝えるために、社長と専務が社員に対してしていることや
接し方が書かれています。

食品スーパーの売上げは、気候にも大きく左右されます。
ロスを無くすためには仕入れも慎重に行わなければなりません。
そこで登場するのが、社長がスーパー開店当時から30年間つけている
前年比が一目でわかる「アナログ閻魔帳」。

出来る経営者は、心の教育といったメンタル部分だけではなく
経営数値をしっかり押さえて行動しているんですね。

事業が軌道に乗るまで何年間も、社長は店にトタン板を引いて
そこで寝ていたそうです。
惣菜をつくられる奥様は70歳を超えた今でも夜中1時半に
調理場に入られるそうです。

小さな会社では、経営者が「自分が一番働いて当たり前」と思うことが大切。
「よいものを安く」と思うなら問屋さんに絶対値切らないこと、など
商売人としての心得もたくさん書かれています。

経営の原点を学べる本としてお薦めします。
ぜひご一読ください!

『売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法』

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