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2010年08月15日(日)更新

夏休みの思い出

物心ついた頃から夏休みになると
三重県の母方の祖父母の家に預けられていました。
弟が身体が弱くて、今から思うと私は厄介払いだったみたい(笑)

5歳くらいのときから、近鉄特急に一人で乗せられて
津という駅まで祖父にお迎えに来てもらっていました。

祖父母の家は、戦後から洋品店を営んでいました。
赤白帽やオムツからジーンズ、背広、パーティドレスまで
何でもそろう洋品店です。

私はそこで毎日店番をしていました。
祖父母の家には、ままごとセットが大量にありました。
近くに住む従姉妹とままごとをするのが楽しみでした。
本屋さんも近くにあって、好きな本を買ってもらえました。

時計の読み方も、お金の計算も、漢字もみんな祖父母に教えてもらいました。
毎日お店が終わると小銭を数えます。
10円玉を10枚積み重ねた山を10個つくると1000円。
100円玉だと10,000円。
「金勘定力」はこのときに身についたのかも(笑)

そんな思い出がいっぱい詰まった祖父母の洋品店。
今はもう誰も住まない空家になっています。
法事を営むときだけ人が出入りする家。

その家ももうあと何年かで取り壊すかもしれないそうです。
私は1年に一度。お盆のときだけお参りに行きます。
あの柱も床の間も台所もお風呂も。
家が恋しかったけど、泣くまいとして
見つめていた天井の模様も、すべて当時のままです。

法事の席に座っている、両親も、伯父伯母も、ふと顔を見ると
私が小学生だった頃の祖父母の年代になっていました。

時間は過ぎ去り、人は年老い、やがてこの世からいなくなります。
でも人の心の中には生き続けることができます。
生きている間に、人の心に残ることをひとつでも多く成し遂げたい。
お盆に祖父母の家に行き改めて感じました。

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