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2008年11月09日(日)更新

大阪のひき逃げ事件における使用者責任

ここ数日、経営者団体とのメーリングリストで
白熱している話題があります。
先日の大阪でのひき逃げ事件における事業主の使用者責任についてです。

自動車の所有者には「運行供用者」としての責任が生じます。
今回のひき逃げ犯は会社の車で事故を起こしました。
自社の社用車の管理をどのようにしているかで議論が白熱しているのです。

社用車について、一切業務以外には使用をしないこと、と定めたところで
実際、地方の営業であれば、直行直帰もやむを得ない場合も多々あり
運行記録や日誌を細かく作成、となるとかなりの事務負担の増加になる、
ということでどうすればいいのか、という声が多数上りました。

今回のように事故が発生した場合、加入している自動車保険で
被害者への補償は足りるのでは、という話についても
損保会社に確認をしたところ、運転手に相当な過失がある場合は
保険の加入者(社用車の場合は会社)に求償されるらしいです。

対策として社用車の管理を規定に基づいてきちんと行う、はもちろん
車を運転する人の免許証の確認や、交通法規の違反についての
前歴についても聞き取りを行うことが必要です。
MLでも上っていたのですが、事故を起こす人というのは
繰り返す傾向があるようです。

また規定をつくればそれでいい、ということではなく
何よりも「法令を遵守する」という会社のスタンスをはっきりさせることと
「ほったらかし」「まかせっきり」にしない、ということです。

会社の業務すべてに経営者が関与することはできないかと思いますが
人の命に関わる事項については、定期的にチェックし、
朝礼等でもうるさいくらいに注意するなど、会社としてきちんと
取組んでいることを従業員に知らせる必要があります。

人の命に関わる事項とは、
1.労働時間の問題(過労死)
2.安全衛生(健康診断、職場の安全)
3.車の運行に関すること
4.職場環境(パワハラ、セクハラ、いじめ)
などです。

どの会社でも同じ確率でトラブルが発生するのではなく
トラブルが発生する職場は、細かいことから深刻な問題まで
常に何かトラブルが発生しています。
それは企業風土によるものが大きいと感じます。
経営者の姿勢や、価値観の共有ができていないことが原因です。

問題が起こったときにそこだけに対処するのではなく
なぜその問題が起こったのか深く掘り下げて考える必要があります。
就業規則については、会社のルールを明示しているものですので
日頃から整備を行うことはもちろん、従業員への周知も心がけましょう。

景気が悪化してきて、環境要因と戦わなければならない今、
組織の中をきちんと固めておきたいですね。

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