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始末をつける大切さを船場の会社で学びました

投稿日時:2012/03/12(月) 10:33rss


私が24年前に新卒で入社をした会社は当時で創業100年を越える
大阪船場にある繊維商社でした。
婦人服地と手芸や雑貨用のコットンの生地を扱っていました。

入社したときは生地の反物を並べておく畳のスペースが
会社の売り場(ショールーム)にありましたので、
「商社」というより「問屋」というイメージでした。

その会社で11年間、私は初の女性総合職として仕事をさせてもらいました。
そこでは毎月商販会議というものがありました。
当月の売り上げの見通しと、予算に達していない場合は
次月以降何で売り上げを上げていくのかを商品部(仕入れ担当)と
販売部(販売担当)全員が一同に集まって話しをする場でした。

当時、商品部と販売部は責任分担があり、
商品部は商品開発、利益管理と在庫責任。
販売部は売り上げ、新規開拓、回収責任がありました。

繊維の会社でしたので商売はほとんど手形でした。
この回収責任を我々営業担当者は社長に徹底的に言われました。
手形管理と与信管理を、管理表に基づいてきちんと行うこと。
お得意先の締め日以降の帳合(売り上げを上げること)はできるだけ避けること。
(例えば20日締めの会社に21日に帳合をしたら、回収までの期日が長くなるため)
などなど。。

さらに営業担当には半年に1度の帳面合わせが義務づけられていました。
お客様の会社にうちの会社に対する買掛金の残高確認書を送って
うちの売掛金の残高との照会を行うのです。

帳面合わせをすることで、勝手に値引き処理をされていたり
お客様の担当者が仕入れを上げてくれていなかったりしていることを
発見して早期に交渉を行うことができます。

当時の社長が言われていた、「営業は回収してナンボ。さらに手形を落としてナンボや。
きちんと始末はつけてや」と言われたことが、
会社を辞めて13年経っても一番印象に残っていることばです。

回収をきちんとするためには、売り先を選ぶようになります。
支払いがきちんとしている会社は他の会社も売りに来るので
競争は熾烈になりますが、売るために頭も使うようになります。

支払いがきちんとしていない会社は、在庫管理もルーズな会社も多く
どんどん買ってくれますが、与信管理をきちんとしていないと
倒産にかかってしまうケースもあります。

「回収をきちんとしろ」と言われることで
商売をするお客様は選ばないといけないということも
学んだ気がします。

新卒で入社して学んだことって、自分の根っこになるもんなんですね。
昨日、息子が友達と冒険旅行に行っておりまして
私が立て替えてあげていた友達の分の切符代の回収が全額できていなくて
息子に、「最後の1円までピッチリ回収しておいで!」と叱ったことから
前の会社で散々社長に言われていた「始末をつけることの大切さ」を思い出した次第です。


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